1. トップ
  2. 相場より300万円安い築39年マンションを購入→2年後、40代男性を襲った「10年で380万円の追加負担」

相場より300万円安い築39年マンションを購入→2年後、40代男性を襲った「10年で380万円の追加負担」

  • 2026.3.24
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住宅を探しているとき、同じエリアなのに「なぜか安い物件」を見つけた経験はないでしょうか。

駅からの距離も悪くない。間取りも一般的な広さ。それなのに、周辺の相場より数百万円安い。そのような物件を見ると、「これはお得なのでは」と感じて購入を決める方も少なくありません。

しかし、不動産の価格には必ず理由があります。特に築年数が古いマンションでは、購入後に維持費が大きく変わるケースもあります。

今日は、築39年・1,500万円のマンションを購入した40代男性が、入居からわずか2年で想定外の負担に直面した事例をご紹介します。購入価格だけでは見えにくい、築古マンションの維持費の現実を見ていきましょう。

相場より300万円安いマンション

数年前、40代の会社員Aさんが購入したのは、築39年のマンションでした。購入価格は1,500万円です。同じエリアのマンション相場より、およそ300万円安い物件でした。

修繕積立金は月2.5万円。管理費や住宅ローンを含めても、毎月の住居費はおよそ8万円です。そのためAさんは「家賃と大きく変わらない金額で持ち家に住める」と考え、購入を決めました。

しかしこのとき、マンションの将来の修繕内容や費用の見通しを示す長期修繕計画書を確認していませんでした。

入居2年後に発覚した修繕費の増額

購入から2年ほど経ったころ、Aさんは管理組合の総会資料を確認し、将来の負担が大きく変わる見込みを知りました。そこには、長期修繕計画の見直しに伴い、修繕積立金の増額と一時金の徴収案が記載されていました。

築40年前後のマンションでは、外壁や防水、配管などの修繕費がかさみやすく、積立金の見直しが行われることがあります。Aさんが購入したマンションでも、積立金の不足が課題になっていたのです。

見直し案の内容は、次のとおりでした。

  • 修繕積立金:月2.5万円→月5万円
  • 修繕一時金:80万円

修繕積立金はこれまでの約2倍となり、さらに一時金の負担も発生します。購入時には想定していなかった費用が、ここで初めて現実のものとなりました。

10年で380万円の追加負担

修繕積立金は、月2.5万円の増額となりました。年間では約30万円の負担増になります。この状態が10年続くと、追加負担は合計約380万円。

Aさんは相場より約300万円安い価格でマンションを購入していました。しかし修繕費の増額によって、その差額はほぼ消える計算になってしまいました。

売却査定は1,250万円

修繕費の負担が増える見込みとなり、Aさんはマンションの売却も検討しました。しかし査定を依頼したところ、提示された価格は1,250万円。

築40年前後のマンションは、購入希望者が限られる傾向があります。さらに、修繕積立金の増額や一時金の予定がある物件は、将来の負担を敬遠されやすく、査定額が下がるケースも少なくありません。

仮に1,250万円で売却できたとしても、仲介手数料や諸費用を差し引くと、手元に残る金額はほとんどないという試算でした。

築古マンションで本当に見るべきもの

築古マンションは、価格が手ごろなため魅力的に見えます。しかし、購入を判断する際に重要なのは物件価格だけではありません。

特に確認しておきたいのは、次の3つです。

  • 長期修繕計画(将来の修繕予定と費用)
  • 修繕積立金の残高
  • 今後の積立金の値上げ予定

注意したいのは、修繕積立金が極端に安いマンションです。一見すると毎月の負担が軽く見えますが、積立金が不足している場合、後から大きく値上げされることがあります。

マンションの価格が安い場合、将来の修繕費などのコストがすでに織り込まれているケースも少なくありません。

購入価格だけで判断してしまうと、数年後に思わぬ負担が発生することもあります。マンションを選ぶ際は、建物の状態や将来の維持費まで含めて確認することが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる