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「数千円ケチったら数十万円の出費に…」整備士が明かす、車で絶対にケチってはいけない3大項目

  • 2026.3.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元自動車整備技術アドバイザーの松尾です。

物価高が続く中、車の維持費は家計にじわじわと効いてきます。ガソリン代、保険、税金、そして車検や修理費…。だからこそ大切なのが、“どこにお金をかけるか”という優先順位。現場で多くの故障と向き合ってきた立場から、「ここだけは絶対にケチってはいけない」という重要ポイントをお伝えします。

整備費は“全部やる”ではなく優先順位が重要

車の整備は、やろうと思えばいくらでも項目があります。しかし実際は、限られた予算の中で取捨選択せざるを得ません。

問題は、「何を優先するか」を知らないまま、価格の安さだけで判断してしまうことです。安い見積もりに惹かれて最低限だけ済ませた結果、数か月後に高額修理…というケースは珍しくありません。

大切なのは、“今すぐ命やエンジンに直結する部分”を最優先にすること。そこを外さなければ、車は長く、安全に乗り続けられます。

ケチってはいけない3大項目

1.ブレーキ(命に直結)
ブレーキパッドやローターは「まだ止まるから大丈夫」と思われがちですが、摩耗が進みすぎると制動距離が伸び、最悪の場合は効きが急激に落ちます。高速道路や雨天時、家族を乗せている場面でその差は致命的です。ブレーキは“消耗してから交換”ではなく、“余裕を持って交換”が鉄則。ここを削る選択肢はありません。

2.タイヤ(制動・走行安定)
タイヤは地面と接している唯一の部品です。溝が減ったタイヤや劣化したゴムは、晴れの日でも制動力が落ち、雨の日はさらに危険度が増します。特に家族や大切な人を乗せての送迎やレジャーでは、安定性が命綱になります。「まだ溝があるから」と安さだけで選ぶのではなく、性能と状態を基準に判断すべきです。

3.エンジンオイル(潤滑系)
そして見落とされがちなのが、エンジンオイルです。オイルはエンジン内部の潤滑・冷却・清浄を担う“血液”のような存在。交換を延ばすほど内部摩耗が進み、燃費悪化や異音、最悪の場合はエンジン載せ替えという高額修理につながります。数千円の節約が、数十万円の出費に化ける代表例。ここは絶対にケチってはいけません。

安さ重視で失敗する典型例

「一番安いオイルでいい」「タイヤはとにかく安いやつで」「ブレーキは車検に通ればいい」

こうした選択は、短期的には出費を抑えられます。しかし長期的に見ると、劣化の進行が早まり、結果的に修理回数や交換頻度が増えるケースが多いのです。整備の世界では、“安く済ませる”と“無駄を省く”は別物です。必要な部分に投資することこそ、最大の節約になります。

長く乗る人ほど整備投資の差が出る理由

同じ年式・同じ走行距離でも、コンディションに大きな差が出る車があります。その違いは、ブレーキ、タイヤ、オイルなどの油脂類といった基礎部分を丁寧に維持してきたかどうか。基礎を守ってきた車は、エンジンも静かで、走りも安定しています。結果的に大きなトラブルが少なく、トータルコストも抑えられます。

「まだ乗るつもりだからこそ、基礎に投資する」これが長く乗る人の共通点です。

整備士に聞くべき「今一番優先すべき整備」

もし予算が限られているなら、整備士にこう聞いてください。

「安全と故障予防の観点で、今一番優先すべき項目は何ですか?」

具体的な優先順位を聞くことで、不要な出費を防ぎつつ、重要部分は守れます。プロは“全部やれ”とは言いません。優先順位を整理するのも仕事の一つです。

限られた予算で賢く維持する考え方

ブレーキ、タイヤ、エンジンオイル。この3つは、いわば「車の基礎体力」ともいえます。見た目よりも基礎。安さよりも安全。一時的な節約よりも、長期的な安心。

「そこはケチるな」という整備士の本音は、結局この一言に尽きます。限られた予算の中でも、守るべきところを守る。その判断こそが、賢い車との付き合い方なのです。


ライター:松尾佑人(二級ガソリン・ジーゼル自動車士資格保有)
新卒で自動車整備業界に入り約8年、メーカーとして現役メカニックに向けた故障診断アドバイザーや各種講習の講師として活動。 年間約1,200件の技術相談に対応し、電気回路や配線図の読み解きを基盤とした電子制御システムの解説を得意としている。


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