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「10万円で投げ売り」バブル期のリゾマンが“数百万円”に大化け→復活劇も…不動産のプロが警告する"落とし穴"

  • 2026.3.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上の現場経験を持つ、宅地建物取引士のライターT.Sです。

最近ニュースなどで、10万円で投げ売りされていたバブル期のリゾートマンションが数百万円に値上がりしているという話題を目にしたことはないでしょうか。ワーケーション需要やインバウンドの影響もあり、温泉地などのリゾートマンションの価格が回復傾向にあるのは事実のようです。

今回は、一部の物件が実際に活気を取り戻している事例をご紹介しつつ、手放しで復活したと喜べない不動産業界の実態をお伝えします。

滞納解消と施設リニューアルによる復活劇

実際に管理体制を見直して、復活を遂げた物件は存在します。ある温泉地のリゾートマンションでは、管理費の滞納率が40%を超えていましたが、外部の専門家であるマンション管理士が介入し、弁護士と連携して法的措置を断行しました。

回収不能な住戸は競売にかけて新たな所有者を迎え入れ、段階的に滞納を解消していったそうです。さらに、維持費が嵩むプールを思い切って閉鎖し、大幅なコスト削減を実現させました。

既存の温泉施設にサウナを新設したり、空きスペースをコワーキング空間に改装したりすることで、新たな需要を取り込み、価格と活気を取り戻したのです。

億単位の修繕費と同意が得られない所有者たち

しかし不動産の実務目線で見ると、最大の問題である修繕積立金の枯渇という闇は手付かずのまま残されています。築30年から40年を迎える大型物件は、給排水管の寿命や複数あるエレベーターの全交換など、億単位のインフラ改修費用が必要な時期に差し掛かっている状態です。

一部の滞納を解消した程度では、この莫大な費用には到底足りません。不足分を一時金として徴収しようにも、遠方に住み、関心の薄い大半の所有者は総会で賛成しない傾向にあります。

結果として億単位の修繕が先送りされ、建物が劣化し続けるという悪循環に陥っているわけです。

修繕も解体もできない袋小路と自衛の手段

さらに山間部の大型物件は解体費用も莫大であり、そのための積立金など当然用意されていません。修繕も解体もできない袋小路に陥り、実態はババ抜き状態になっている物件もあるでしょう。

現在値上がりしているからといって、表面的な理由で飛びつくのはリスクがあると言わざるを得ません。購入を検討される際は、価格だけでなく長期修繕計画書と修繕積立金の残高を確認することが絶対条件になります。

今後の資金の裏付けや遠方の所有者と合意形成が図られているか見極める視点が、将来の大きなリスクを避ける賢明な判断につながるでしょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、業界の不都合な真実や消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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