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たった「1通の案内」で200万円の損…“住みたいランキング上位”マンションを購入した30代夫妻の末路【不動産のプロは見た】

  • 2026.2.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

住まいを選ぶとき、次のような言葉を見聞きして、安心材料にした経験はないでしょうか。

  • 住みたい街ランキング上位
  • 子育て世帯に人気
  • 学区が良いから資産価値も安心

街の知名度や学区の評判は、マンション購入の大きな決め手になりやすい要素です。

ただ、その評価がこの先も変わらないとはいい切れません。実際には、自治体の方針や制度の見直しによって条件が変わることがあります。学区の再編は、その一例です。

今日は、住みたい街ランキング上位のエリアでマンションを購入したものの、学区変更をきっかけに資産価値が大きく揺らいだ、あるご家族のエピソードをご紹介します。

住みたい街×人気学区。条件がそろったはずの購入判断

今回の相談者は、30代のAさん夫婦。マンションの購入を決めたエリアは次のような評判の良さでした。

  • 住みたい街ランキングは常に上位
  • 子育て世帯からの人気が高い
  • 評判の良い公立小学校の学区内

条件だけを見ると、安心して選びたくなる要素がそろっていたといえます。実際、周辺では同じくらいの築年数や広さの中古マンションが、高値で次々と売れていました。

数年後に届いた「学区再編」のお知らせ

入居から数年が経ったころ、自治体から一通の案内が届きます。内容は、学区再編の方針について。

人口増加や学校ごとの受け入れ人数調整を理由に、通学区域を見直すというものでした。

そして、Aさんご夫妻のマンションはこれまでの人気校ではなく、別の公立小学校の学区に振り分けられることが決まったのです。

「同じ街なのに、学区が変わるだけで?」

ご夫妻は戸惑いながらも、その時点では大きな影響を想像していませんでした。

売却活動で突きつけられた現実

数年後、ライフスタイルの変化をきっかけにAさんご夫妻は住み替えを検討。販売を始めると、内覧の数自体は決して少なくありませんでした。立地や間取りについても、反応は悪くなかったのです。

ただ、内覧のたびに、決まって「学区」の話題があがっていました。

「ここ、以前は〇〇小の学区でしたよね?」
「今は別の学校になるんですね……」

購入を検討しているのは、ほとんどが子育て世帯です。学区は、後回しにできる条件ではありませんでした。

結果として、同じ街・同じような条件で売りに出ている物件の中でも、学区が変わったマンションだけが、明らかに検討から外されやすくなっていたのです。

想定価格では売れず、値下げする羽目に

Aさんご夫妻が最初に想定していた売却価格は、周辺の成約事例をもとにした決して無理のない水準でした。しかし、販売を続けても反応は思うように伸びません。

内覧は入るものの、申込みにはつながらない状態が続きました。最終的に選ばざるを得なかったのが、200万円の値下げです。

「人気エリアなのに、ここまで下げないと決まらないんですね…」

そう口にしながらも、ご夫妻は十分に納得できないまま、売却を決断しました。

「人気エリアなら大丈夫」とは限らない

学区の変更そのものは、個人の判断で防げるものではありません。今回のケースも、Aさんご夫妻に落ち度があったわけではないのです。

しかし、購入時に次のような視点があれば、受けるダメージを抑えられた可能性はあります。

  • 人気の理由が「学校」だけに偏っていなかったか
  • 学区が将来も続く前提で判断していなかったか
  • 将来売るとき、検討する人が子育て世帯に限られすぎない条件か

学区や住みたい街ランキングは、あくまで「今」の評価です。制度や方針が変われば、街の見られ方や需要も動きます。マンションは、暮らしの場であると同時に、簡単には買い替えられない資産です。

条件が変わったときにどう見られるかまで想像しておくことが「こんなはずじゃなかった」を防ぐ、大きな分かれ道になります。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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