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【漫画】「帽子を脱ぐのが怖い…」統合失調症の患者さん “理由”を知った看護師の寄り添い方に「考えさせられる」

  • 2026.1.9
漫画「取れない帽子」のカット((C)水谷緑/イースト・プレスさん提供)
漫画「取れない帽子」のカット((C)水谷緑/イースト・プレスさん提供)

漫画家の水谷緑さんの漫画「取れない帽子」がインスタグラムで5万8000以上の「いいね」を集めて話題となっています。

精神科に約10年入院している統合失調症の患者さんを担当することになった看護師。「なぜか毎日毛糸の帽子をかぶっている」「終日、寝ているときも帽子を取らない」、その理由を聞いた看護師は、彼女の気持ちに寄り添いつつある行動に…という内容で、読者からは「人にはそれぞれの思いや考え方がありますよね」「精神科の奥深さを感じるすてきな作品でした」などの声が上がっています。

精神科で大切にされる“正解を求めない関わり”

水谷緑さんは、インスタグラムXで作品を発表しています。これまでに『精神科ナースになったわけ』(イースト・プレス)などの作品を手がけました。水谷緑さんに作品について話を聞きました。

Q.今回、漫画「取れない帽子」を描いたきっかけを教えてください。

水谷緑さん「今作は私の書籍『精神科ナースになったわけ』の中にあるエピソードの一つです。詳しくは本のあとがきに書いていますが、自分の親が亡くなって落ち込んでいたときに『自分は精神疾患なのか』と思う体験があって、『精神疾患についてもっと詳しく知りたい』と取材を進めるうちに、ある看護師さんに聞いた話です。精神科をどのように描けばいいのかと難しかったですが、『これが精神疾患を持つ人との自然なやりとりなのだ』と腑に落ちた人間らしいエピソードでした」

Q.本作は実際の病院や看護師さんへの取材を元に制作されているとのことでしたが、その際「精神科」に対してどのような印象を受けましたか。

水谷緑さん「元々は『自分とは関係のない領域』だと思い、無関心でしたが、『自分は精神疾患なのかと思う体験』があってから初めて精神科を取材したとき、ゆっくりとした落ち着く空間でリラックスでき、私も延長線上にいるのだなと感じました。当たり前のように心身の不調について話せる相手がいるのは、時にはいいなと思いましたね」

Q.今作を描くにあたる取材をしたとき、率直にどのように感じましたか。

水谷緑さん「目からうろこでした。こんな生き方や関わり方があるのだと知れてよかったです」

Q.作中に登場した患者さんは、その後、完全に帽子を外すことはできたのでしょうか。

水谷緑さん「取材した看護師さんも病院が変わったそうで、その後は分かりません。しかし、治るとか、乗り越えるとか、分かりやすい解決は目指さなくてよいのではないでしょうか。病気と付き合いながらも、病気にとらわれないように気を付けながら生き続けていれば、十分頑張っていると思いますから」

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

水谷緑さん「2014年ごろからです。元々私の弟が研修医で、彼から聞く話が面白くて描き始めました。基本的には、医療現場などに取材をして、それを元に描く漫画が多いです。連載や単行本が主体で、SNSは宣伝として使っています」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

水谷緑さん「美容医療や戦争孤児、怪談、子ども向けの本などいろいろと準備中です。2025年12月26日に、山の怖い実話『山怪(朱)』(原作:田中康弘さん)の3巻を、2026年春には『暴力病院』という精神科の暴力や搾取について描いた漫画を出版します。それぞれ興味がある方々にお勧めです」

Q.漫画「取れない帽子」について、どのようなコメントが寄せられていますか。

水谷緑さん「『関わり方が優しい』『認知症の方々との関わりでも参考になる』などといったコメントをいただきました」

オトナンサー編集部

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