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新進気鋭の『7人組アイドル』冠番組に“絶賛の嵐”→人気芸人も脱帽した“本気の姿勢”「料理番組やったほうがいい」

  • 2026.2.4
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東京スカイツリータウンのクリスマスイルミネーション点灯セレモニーを行ったCANDY TUNEの(左から)福山梨乃、村川緋杏、宮野静、立花琴未、小川奈々子、南なつ、桐原美月 (C)SANKEI

1月8日から4週にわたって放送された冠番組『CANDY TUNEのきゃんちゅーできる?』(日本テレビ系)は、いわゆる“アイドル番組”の枠に収まりきらない、グループのバラエティ適性をかなりストレートに可視化した番組だった。毎回の軸は明快で、7人が「できる?できない?誰が一番できる?」を問われる状況へ投げ込まれ、得意不得意と負けず嫌いが、そのままリアクションとして現れていた。

初回放送でチャレンジした企画「倍倍バイトFIGHT!」が、接客や食器の片付けといったバイト現場を題材にしていた点も象徴的だ。求められたのは、笑顔やポーズの上手さではなく、手を動かす速さ、周囲を見て動く判断力、そして最後までやり切ろうとする姿勢。番組は冒頭から、アイドルとしての“かわいさ”を強調するのではなく、実際の現場でどう振る舞えるか、どんな強さを持っているのかがが求められるアイドル番組の王道をいく企画だった。

対決企画で見えた、CANDY TUNEの役割分担

冠番組でいちばん大事なのは、視聴者が“この子が誰か”をすぐに覚えられる入口を作れるかどうかである。ライブやSNSは、すでに推しがいる人ほど楽しめるが、テレビは初めて見る人が多いからこそ短い時間でも伝わる圧倒的なキャラクターが求められる。『きゃんちゅーできる?』は、毎回“勝負”の形にすることで、それを自然に引き出していた。負けたくないタイプは悔しさが顔に出て、勝てたタイプは自信が声に乗る。前に出て場を回すメンバーもいれば、思わぬハプニングで目立つメンバーもいる。そうやって7人の役割が回を追うごとに見えやすくなり、CANDY TUNEのバラエティとしての強さがはっきりしていった。

象徴的だったのが、配信限定コンテンツ『CANDY TUNEのきゃきゃきゃきゃんでき』で行われた「ぐるぐる必殺あざとポーズ」対決である。楽曲「必殺あざとポーズ」のサビ中、椅子に座ったメンバーがぐるぐる回転し、曲が終わる瞬間にフォトエリアで“あざとポーズ”を決める。要するに、目が回る状況でも体幹を保ち、表情まで作り切れるかを試す企画だ。

ここで小川奈々子は、桐原美月と村川緋杏に勢いよく回され、逆回転の影響もあってフラつきながらも、なんとか最後はポーズを形にした。一方の立花琴未は、バレエ由来の安定感を生かし、回転中もポーズを崩さず、終わり際も表情をキープして“あざと”を成立させてみせた。

この企画が面白いのは、単に運動神経の差が見えるからではない。回す側が遠慮なく加速させ、回される側が必死に耐え、周りがそれを笑いに変えていく。そのやり取りの中で、誰が仕掛け役で、誰が受け止め役で、誰が場を明るくするのか――7人の関係性と役割が、説明なしでも自然に伝わってくるからである。こうした“関係性の見える瞬間”を積み重ねられることこそ、バラエティにおける強さだ。

料理回で見えた、CANDY TUNEの強さ

例えば第2回の「レベチおいしいおにぎり対決」も、番組の狙いは一貫している。料理企画はアイドル番組でおなじみだが、手元が映るぶん、その人の素が隠せない。作りながらつい喋ってしまう人もいれば、無言で黙々と仕上げる人もいる。具材選びや盛り付けのクセ、手際のよさ、丁寧さ――そうした細部に、性格がそのまま出る。勝負でありながら、メンバーそれぞれのキャラクターがいちばん分かりやすく立ち上がる回だった。

この回で特に印象的なのは、CANDY TUNEの料理スキルが想像以上に高かったことだ。小川奈々子は「なす炒め生ハム包みおにぎり」という発想で一気に個性を打ち出し、味の組み立てでも“料理ができる人”の説得力を見せた。宮野静も手つきの迷いが少なく、味のイメージを形にしていく「料理センス」を発揮していた。定番企画でありがちなわちゃわちゃの失敗に寄りかかるのではなく、ちゃんと美味しそうなものが出てくるから、見ていて気持ちがいい。

その結果として、ジャンボたかお(レインボー)に「CANDY TUNEは料理番組やったほうがいい」と言わせた点も大きい。褒め言葉としての比喩ではなく、実際に“料理を見せる企画が成立する”だけの地力がある、という評価である。一方で、同じくジャンボたかおが村川緋杏に期待を込めて「バイバイ」と評した場面は、料理の上手下手以上に、バラエティの文法として効いていた。うまくいった人が持ち上がるだけではなく、悔しさや次への意地が残る引”が生まれるからだ。

加えて重要なのは、ライブで培ったリアクションの強さが、この回のテンポを作っていたことでもある。料理対決は、結果がその場で出る分、驚きや悔しさ、納得といった感情が表情に出やすい。CANDY TUNEはその瞬間の感情を大きく、かつ自然に見せられる。料理という定番企画を、単なるお約束で終わらせず、「この子、気になる」へ繋げる回にしていた。

4週で証明した、CANDY TUNEのバラエティ力

勝負ごとには本気で熱くなり、仕掛けが来れば全力で乗り、決める場面ではきちんと決め切る。バラエティ適性とは、特別な一発芸の有無ではない。目の前の状況に対して、感情も言葉も身体も使って、その瞬間の自分を出し切れるかどうかである。

その意味で、第3回のバスケットと卓球に挑戦した回は、本番組の“総合力”を象徴していた。スポーツ企画は運動能力の差がはっきり出るぶん、空気が硬くなりやすい。しかしCANDY TUNEは、勝負の熱量を上げながらも、場をきちんと笑いへ戻してみせる。個々の身体能力が露わになり、「この子、こんなに動けるのか」という驚きが生まれる一方で、卓球ラリーでは立花琴未が定番の流れとして、相手であるちょんまげラーメンのきむにボールを当ててしまう。さらに福山梨乃が「中学時代は卓球部だった」と明かし、経験者らしい動きで見せ場を作る場面もあった。上手い/下手だけで終わらせず、競技の強度とバラエティの落としどころを両立させる。そこに、グループの強さがある。

4週を通して伝わったのは、CANDY TUNEが「勝ちたい」と燃える顔も、素で笑う顔も、ここぞで決め切る顔も、それぞれに持っているということだ。料理回では生活力とセンスが見え、回転椅子の企画ではメンバー同士の距離感や関係性が見え、スポーツ回では運動能力と勝負強さが見えた。回ごとに違う角度から7人の個性が積み重なったからこそ、初見の視聴者でも「この子が気になる」「名前を覚えた」と思える場面が増えていった。冠番組は入口であり、入口が強ければ強いほど、その先へ進む理由が増えていく。ここから彼女たちは、テレビで知った層をライブへ、ライブで掴んだ層をSNSへとつなぎながら、見え方をさらに広げていくはずだ。


ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04