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『乃木坂46』新コンビが話題 2年前の“卒業”を転機に、進化し続ける“深夜ラジオの顔”

  • 2026.1.30
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【乃木坂46新成人お披露目】記念写真におさまる乃木坂46の一ノ瀬美空=東京都港区 (C)SANKEI

番組が育ててきた“雑談ラジオ”の強み

『乃木談』は2021年4月にスタートし、清宮レイ&松尾美佑という4期生同い年コンビが番組の土台を作った。リスナーの相談に答える建て付けを持ちながら、実態は「ほぼ脱線してしまう、ふたりの素が垣間見える!?雑談ラジオ」。冠番組ならではの近さと、無茶ぶりにも体当たりで応える自由さが共存し、ファンにとって“聴いているだけで楽しい空間”として定着していった。コンビ名募集のような企画を通じて、清宮の明るさと松尾のドライさが浮き彫りになっていった点も、ラジオならではの面白さだった。

転機となったのは2024年7月の清宮卒業。後任として田村真佑が加入し、松尾&田村体制へとバトンが渡された。先輩メンバーが加わったことで番組は“落ち着き”を手にした一方、根幹の脱線ムードは守られたままだった。松尾の「物申す」系コーナーや、田村が先生役になる「まゆたん先生」など、ふたりの距離感に合った形で番組が再編され、空気の作り方そのものがアップデートされていく。そして2025年末、松尾が卒業。清宮&松尾から松尾&田村へと受け継がれてきた『乃木談』は、いよいよ田村&一ノ瀬へと次の章に入った。

“聞き上手”田村真佑が支えてきた安定感&一ノ瀬美空の言語化力と瞬発力

松尾と組んだ田村は、番組に背骨を通した存在だった。柔らかな受け答えで相手の話を拾い、自由に走るトークを整えながら、要所では的確にツッコむ。いわゆる“聞き手”としての巧さが、松尾のボケや脱線を心地よい笑いへ変えていった印象がある。「教えて!まゆたん先生で見せる包容力も、番組の安心感につながっていた。

田村は4期生の中でも“ほんわか癒し系”として知られ、後輩への面倒見の良さも含めて、グループ内での信頼が厚い。だからこそ『乃木談』は、多少トークが逸れても“戻ってこられる場所”として成立してきた。清宮→松尾→一ノ瀬へと受け継がれる流れの中で、田村は番組の温度を保ちながら次世代へ橋を架ける役割を担っている。

一ノ瀬は、バラエティでも臆さず発言し、思いがけない切り返しで場を明るくする瞬発力がある。さらに文章での発信でも言葉選びが巧く、感情や状況を整理して伝える“言語化力”に定評があるタイプだ。ラジオは声だけで人柄が伝わるメディアであり、その資質は番組と相性がいい。

初回放送からすでに、一ノ瀬のマイペースさに田村がツッコミを入れる構図が見え始めている。予測不能な一ノ瀬の一言が“脱線の起点”になり、田村の安定感が“着地”を担う――この役割分担がハマれば、『乃木談』はこれまでとは別の角度で面白さを増していくはずだ。

“甘々コンビ”の先へ 新しい掛け合いが番組を更新する

ファンからは早速「まゆたん×みーきゅんの甘々コンビが楽しみ」という声も上がっている。呼び合いの距離感や、互いを立て合うやりとりには新しい“かわいさ”がある。ただ、このコンビの面白さはそれだけではない。田村が相手の話をきれいに受け止めて整え、一ノ瀬が思いついたことを勢いよく投げる。そのキャッチボールが続くことで、トークのテンポが上がり、脱線も“回収できる脱線”になっていく。甘さとスピード感が同居するのが、新体制の強みだ。

ラジオは、テレビ以上に素の魅力が最も伝わる場所だ。飾らないトークや、ふとした間の取り方に、その人の温度が出る。だからこそ『乃木談』は、コンビが変わっても“乃木坂らしさ”を更新し続けてきた。

田村&一ノ瀬の新体制もまた、乃木坂46の今を映す鏡になるはずだ。甘くて楽しい深夜のひとときに、時々予想外の脱線が混ざる。その揺らぎごと愛せるのが『乃木談』の魅力であり、新コンビがどんな“顔”を作っていくのか、これから毎週金曜が楽しみだ。


ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04