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実は“7年前”に脚光を浴びていた…『M-1グランプリ』新チャンピオン・たくろう、“6年ぶりの関西勢優勝”を叶えたワケ

  • 2025.12.24
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「M-1グランプリ2025」でM-1初優勝を飾り、優勝会見に出席したたくろうの左から赤木裕、きむらバンド (C)SANKEI

年末恒例の番組が続々と放送される中、お笑いファンのみならず多くの視聴者を釘付けにする番組『M-1グランプリ2025』の決勝が12月21日放送された。

5年連続の決勝進出を決めた真空ジェシカ、3年連続のヤーレンズ、そして若手の実力派・エバースなどが肩を並べる中、見事チャンピオンの座に輝いたのは、今回が初の決勝進出となった、たくろうの2人。

あの場での漫才で観る人を虜にした、たくろうとはいったいどんなコンビなのか。解説しよう。

2018年の敗者復活に現れた期待の新星

決勝7組目“軟弱の星”というキャッチコピーで登場した2人の結成は2016年。実は『M-1グランプリ』で名を挙げたのは、2018年のこと。霜降り明星が優勝したこの年、なんと2人は結成3年目にして準決勝へとコマを勝ち進めたのであった。

そして、敗者復活戦で存在感を示す。実際、当時の視聴者投票では5位。しかも決勝の審査員を務める中川家の礼二がラジオにて一番ハマったコンビとして「俺はたくろう!」と名前を挙げられるほどだった。

しかし、ここからたくろうは、2019〜2024年まで準々決勝または3回戦止まりと苦しい日々を過ごす。関西の賞レース『第8回ytv漫才新人賞』では準優勝、『第54回NHK上方漫才コンテスト』でも準優勝と好成績ではあるものの、なかなか優勝を掴めずにいた。

“場慣れ”を感じさせない彼らの魅力

そんな彼らの凄みといえば、やはり“場慣れ”を感じさせないままに進んでいく、たくろうワールドにあり。

決勝戦ファーストラウンドの掴み、「メガネのパーマ、木村バンドと」からの、戸惑いながらもそれに合わせて「裸眼の化け物、赤木です!」と赤木がコメントする様子は、ネタ全体にも共通して言えるおもしろさである。

というのも、今回決勝戦で披露した、たくろうのネタは、木村が「〇〇をやってみたいんだよね」と言い、赤木がそれに対して戸惑いや疑問を投げかける。しかし、木村はそんな赤木の質問に答えずに、自分の“やってみたい”を突き通し、根負けした赤木がそれに付き合うという構図。

ネタ合わせは「一度だけ」という彼ら。それ故、まるで初めて聞いたかのように赤木が挙動不審に振る舞う様子、その赤木に引っ張られないように木村が進行する様子こそが彼らの魅力だからである。

キャッチーではあるが挙動不審さというのは、練習すればするほどこなれてきてしまうもの。彼らなりのネタ合わせの方法でそれを全く感じさせないのが、たくろうのすごさだなと改めて感じさせた。

6年ぶりの関西勢優勝がもたらす影響

ちなみに、そんなたくろうは現在、大阪吉本で活躍中。実は、今回のたくろうの優勝、関西勢ではミルクボーイ以来、6年ぶりのチャンピオン返り咲きということもあり、大阪の芸人たちを中心に大盛り上がり。

所属しているよしもと漫才劇場では、優勝翌日に同じ劇場に所属するメンバーがたくろうの2人を出迎え、激励している姿もXにてアップされた。

東京吉本、もしくは吉本以外の他事務所の盛り上がりや勢いも止まらない昨今のお笑い界。その中で、笑いの本拠地・関西勢が今回のたくろうの優勝をきっかけに、躍進してくるのではないか。期待する声も大きい。


ライター:於ありさ
ライター・インタビュアー。サンリオ・アイドル・恋愛コンテンツ・お笑いが好き。マイメロディに囲まれて暮らしている。
X(旧Twitter):@okiarichan27