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視覚障害者「ネタバレ回避できない」XのALT機能に悲鳴、本来の使い方に「愕然としました」「知らなかった」

  • 2025.12.11
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出典:PhotoAC ※画像はイメージです

日々のニュースや趣味の写真など、さまざまな情報が手軽に見られるSNS。X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSから情報収集をしているという人も多いでしょう。

そんなXで、最近改めて注目を集めているのが「ALT機能の使い方」です。ALTは本来、視覚障害のある方を含めより多くの方が画像の内容を理解するためのアクセシビリティ機能。Xでは、画像に説明文を付けられるものとして提供されています。

ところが近年、「文章を画像に添付してALTに長文を書く」「検索避けとしてALTを使う」といった、本来の目的とは異なる使い方が広がっているようです。

そもそもALTとは?

障害の有無や程度、年齢、利用環境に関わらず、誰もがウェブの情報やサービスを利用できることを「ウェブアクセシビリティ」といいます。デバイスや環境が多様化する中で、さまざまな利用方法に対応する重要なアプローチです。

具体的には、目が見えなくても情報が伝わる、キーボードのみで操作可能、色の区別が難しくても情報が伝わる、音声や動画コンテンツに字幕があるなど、誰もが平等にウェブを利用できる状態を目指します。

その一環としてALT機能は存在します。ALT(代替テキスト)とは、画像が伝える情報を文字で説明したものです。画像の代わりにその文字を置いても違和感がない内容を記述します。グラフなら内容の要約、ロゴや見出しなら同じ文字を記載します。

画像が見えないユーザーにも、テキストで画像と同じ情報を伝えるために重要な要素です。

出典:ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(デジタル庁)

XでのALT機能の本来の使い方は?

Xにも、ALTの機能が備わっています。画像付きの投稿をする際に、視覚障害のある方にも内容が伝わるよう、画像に簡潔で分かりやすい説明を付けるための機能です。

Xの公式Webサイトでは、以下のように明記されています。

X for iOSアプリ、X for Androidアプリ、またはX.comを使って画像付きのポストをする際、目の不自由な方や弱視の方を含めてより多くの人にその内容が伝わるよう、説明を追加できます。

画像についての説明は、簡潔で分かりやすく、画像の中で何が起きているのかを理解するのに役立つようなものがおすすめです。
出典:画像のアクセシビリティを向上させる方法(Xヘルプセンター)

また、実際に画像を投稿する画面では、以下のような説明があります。

代替テキストとは?

目が不自由な利用者も含め、多くの利用者が画像を理解できるように説明(代替テキストとも呼ばれます)を追加できます。簡潔にすることをおすすめしますが、画像の前後関係をよく理解できるように画像の内容を正確に説明してください。
出典:説明を追加(X)

Xの場合はすべてに画像にALTをつける義務はありませんが、例えば、自分で撮影した飼い猫の写真に「投稿者の飼い猫である2歳のメスの三毛猫が、投稿者の枕の上で丸まって眠っている写真」などと説明を加えると、目の不自由な方も含めてより多くの人に、画像の内容を伝えられます。

画像の内容を正確に説明することが重要です。

Xの「ALT機能」が異なる使い方をされている?

しかし、最近では任意の画像を添付して「ALTに書きました」などと本文に書き、ALT欄に画像の説明ではない長文を書き込むといった使い方が多く見られます。

また、投稿内容が検索に引っかからないようにする“検索避け”を目的として、画像の内容説明ではない文章を書き込むケースもあります。しかし、ALTに書いた内容はGoogleなどの検索エンジンで調べると検索に引っかかります。Xの検索では表示されないとしても、検索避けとしての効果は期待できません。

いずれも、視覚障害のある人などが画像の内容を正しく把握できなくなる可能性があるため、「規約外の使用方法はやめるべきでは」との指摘がSNSを中心に起こっています。

視覚障害のある方からのコメント

実際に、視覚障害のある方からは、ALTの誤用によって不便を感じたり、困ってしまったりしたという経験談が寄せられています。

  • ALTを読み上げてもよく分からず、がっかりしたことが何度もある。
  • 画像の情報を得るために頼りになるはずが、信用できない。
  • 画像を触るとすぐに読み上げられるので、センシティブな内容やネタバレなども回避できない。

視覚障害のある方の多くは、読み上げ機能を活用してSNSを閲覧しています。本来であれば、ALTに書かれた説明によって画像の内容を把握できるはずですが、異なる内容が書かれていると、戸惑うこともあるといいます。

一方で、画像に関係しているものの「どこまで書いてもいいのかわからない」という声もあるようです。明確な基準を判断するのは難しいものの、「こういう使い方は助かる」という意見も寄せられていました。

  • 画像に関する詳細な情報はありがたい。
  • 画像にまつわる詳しいエピソードなどは、ALTではなく本文に書いてもらいたい。

「知らなかった」「気を付けます」

また、ALT機能の本来の目的や、ALT機能が誤用されているという事実を初めて耳にしたという人もいるようです。

  • 使ったことがないので、どういうものか分からなかった。
  • ALTが違った目的で使われているということを知り、愕然としました。
  • きちんとした使い方を覚えていきたい。

さらに、これまで誤ってALT機能を使っていたという人からは、「気を付けたい」という声もありました。

  • ALTの間違った使い方を指摘されてありがたかった。改めます。
  • ALTの正しい使い方を教えてもらってからは、気を付けて使うようにしています。

「ワンクッション置きたい」「長文投稿したい」場合には

もし「ワンクッション置きたい」「1ポストで長文を投稿したい」ということがあれば、以下のような方法もあります。

1、Xプレミアムに登録する

有料でXプレミアムに登録すると、140文字よりも長いテキストをポストしたい場合、機能を使用することで、サブスクライバーは最大25,000文字のテキストを投稿できるようになります​。

出典:Xプレミアムについて(Xヘルプセンター)

2、投稿サポートツールを利用する

ワンクッションを置き、長文を投稿できるツールを使用するのも一つの方法です。一例ですが、ふせったーPrivatterなどはTwitter時代から多くのユーザーに使用されています。

より多くの人が使いやすいように

XのALT機能は、視覚障害のある方をはじめ、より多くの人が画像の内容を理解できるようにするためのものです。しかし実際には、誤った使い方をされているようです。

ALT機能の本来の目的や、誤って使われていること自体を知らなかったという人も少なくないようです。だからこそ、正しい役割や使い方を広く知ってもらうことが大切です。

誰もが気持ちよく使えるように、一人ひとりが意識して正しく活用していきたいですね。

 

※2025年12月10日時点での情報です


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