忘年会で「幹事だけポイント貯まるのずるい」駅広告に批判の声…運営が謝罪の事態に「無料でいいくらい」「文句を言われた」

2025.12.12

忘年会シーズン真っ只中の12月、会社で忘年会が開催されるという方も多いのではないでしょうか。

そんな中、あるタクシー配車アプリの広告がSNS上で大きな話題となっています。それは、「忘年会、幹事だけポイント貯まるのずるくない!?」というキャッチコピー。

こちらに対し、「わかる」という声がある一方で、「幹事の大変さを軽視している」という批判も相次ぎ、掲出終了の決断がなされました。

「幹事だけずるい?」広告にSNSで賛否両論

こちらの広告を展開したのは、タクシー配車アプリ「S.RIDE（エスライド）」を運営する株式会社S.RIDE。ソニーグループとタクシー会社5社が共同出資する企業で、累計400万ダウンロードを超える人気アプリです。

広告は駅のホームドアなどに掲出され、「幹事がカード払いでポイントを貯めるのはずるい」という前提で、「S.RIDEなら誰でもポイントが貯まる」とアピールする内容でした。

しかし、S.RIDEの広告を目にした人たちから、「幹事を経験した際の大変だった体験談」がSNSで多く投稿され、「ポイントを貯める以上の苦労がある」と話題になりました。

SNSでは「仕事の合間に出欠を集め、店を探して調整したのに、店選びや料理について文句を言われた」という体験談や「人数調整、急なキャンセル対応も大変なのに誰も手伝ってくれない」といった幹事の大変さを訴える声が多数寄せられました。

また、「ポイントを貯めたいなら、その人が幹事をやればいい」「ポイントが貯まるといってもせいぜい1,000円くらいなもので、幹事をやる大変さのほうが上回る」「幹事は大変なのだから、ポイントも全部もらっていいし会費だって無料でいいくらい」など、幹事の労力を考えれば、ポイントが貯まることを「ずるい」と捉えること自体がおかしいという声もありました。

企業が謝罪し広告掲出を終了

こうした反応を受け、S.RIDEは12月9日、公式サイトで謝罪文を発表しました。

「お客様ならびに多くの皆様より『幹事への配慮に欠ける表現である』とのご指摘をいただきました」とし、社内で協議した結果、「忘年会などの幹事様が担う責任やご負担に対する想像力、および配慮に欠ける不適切な表現であったと判断し、当該広告の掲出を終了いたしました」と発表しました。

同社は「今後は広告表現の確認体制を抜本的に見直し、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。

こちらの対応については、SNSでも、キャッチコピーの是非はさておき、「何が悪かったかきちんと記されていて良い」「問題が明確化できていて良い」との声が上がっていました。

幹事の大変さに注目集まる

今回の騒動を通じて、改めて「幹事の大変さ」を理解している人の多さが可視化されたといえるでしょう。日程調整、店選び、予算管理、当日の進行、ドタキャン対応…。これだけの業務をこなす幹事にとって、ポイントが貯まることは「ずるい」どころか、「最低限の報酬」と考える声が多くありました。

もし今年、あなたの周りで幹事を引き受けてくれた人がいたら、「ありがとう」の一言を伝えてみてはいかがでしょうか。

参考：「屋外広告の表現に関するお詫びと掲出終了のお知らせ」（S.RIDE）

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