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演劇経験豊富な“実力派俳優が”見せたヒリつく空気感 芸能界のシビアさも感じさせる“注目の秋ドラマ”

  • 2025.11.6
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(C)『25時、赤坂で Season2』製作委員会

駒木根葵汰と新原泰佑がW主演を務める『25時、赤坂で Season2』。

芸能界を舞台に俳優同士が恋に落ちるラブストーリーだ。人気俳優の羽山麻水を駒木根、ドラマへの出演がきっかけで一躍人気俳優となった白崎由岐を新原が演じている。

※以下本文には放送内容が含まれます。

芸能界ならではの苦難も

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(C)『25時、赤坂で Season2』製作委員会

ドラマの共演を機に惹かれ合い、両片想いだったSeason1を経て、両想いとなったSeason2では最初からフルスロットルでイチャイチャしている。

最初は互いの部屋に通い、愛を深めていたふたりだったが、羽山のマネージャー・明野(片山萌美)に関係が露呈。羽山は別れるようにとマネージャーから言われるが、仕事面で覚悟を見せ、納得させる。

そんな騒動をきっかけに、安心して会えるようにと一緒に暮らすことを羽山が提案。家に帰れば、恋人がいる。そんな幸せをかみしめるようにふたりは愛を深めていく。

…が、そんな中、同じ舞台の、同じ役のオーディションを受けていることがわかる。オーディションで精一杯やり遂げ、先を行く羽山に追いつきたい。並びたい、負けたくない。そんな思いがあった白崎は、羽山に少し距離を置くことを提案する。

多幸感あふれるラブシーン

両想いとなったその後を描くSeason2ということもあり、ラブシーンは多め。伝わってくるのは、互いに好きでたまらないという多幸感だ。互いに互いを求めあっているのがわかるし、相手がよりどころになっているのもわかる。

それぞれがきちんと相手への愛を伝えているのだけれど、クールに見える羽山が、意外と恋愛に関しては素直なのがかわいかったりする。白崎が「距離を置きたい」と言ったときはあからさまに不服そうな様子を垣間見せ、その関係を「家庭内別居」と表現したのもどことなくチャーミングさが感じられる。

しかし距離を置いたことで、結果的によりふたりの愛が深まることに。「会えない時間が愛を育てる」なんて都市伝説かと思っていたが、羽山と白崎に関してはまさにそのとおり! と言えるのではないだろうか。

恋愛モノだとどうしてもすれ違いのシーンも出てくるわけだが、多幸感が溢れすぎておりSNSでは「幸せシーンばっかり見ていたい」という声も上がっているほどだ。

芸能界という場所のシビアさ

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(C)『25時、赤坂で Season2』製作委員会

Season1では、羽山は人気俳優、白崎は新人俳優という立ち位置だった。が、羽山と共演したドラマで白崎の人気も跳ねる。Season2ではそれぞれが人気俳優という状態になったからこそ、壁も現れる。外でデートができない、という恋人としての寂しい部分もあるが、仕事面でも意識せざるを得ない。

5話までで大きな山場となったのが、ふたり揃って受けた舞台『雨と懺悔』のオーディションだ。同じ役を争うことになったため、どうしても互いに意識せざるを得ない。おまけに、白崎にとって羽山は自分の先を行く俳優でもある。その背中に追いつきたい、という強い思いを抱えオーディションに挑む。

白崎を演じる新原は昨年、『第32回読売演劇大賞』で杉村春子賞を受賞しており、舞台でも活躍している俳優だ。だからこそ、オーディションのシーンもよりリアリティが増しているような……と思うが、それは観る側の意識の問題だろうか。ヒリつくようなオーディションの空気感は観ているこちら側にも十分伝わってくるものだった。

もちろん、オーディションは選ばれる人と選ばれない人がいる。そして残酷なのが、自分が落ちたオーディションで誰が受かったのかがどうしても目の当たりにすることになる。芸能界という場所で働く人たちは総じてこんな厳しい世界で生きているのだということを改めて実感させられる。

羽山と白崎の幸せなシーンだけを観ていたいところだが、芸能界のシビアさも感じさせてくれるドラマ『25時、赤坂で』。そんなシビアな世界で、羽山と白崎はどのように愛を積み重ねていくのか見守りたい。


テレビ東京系 水ドラ25『25時、赤坂で Season2』毎週水曜深夜1時~

ライター:ふくだりょうこ(Fukuda Ryoko)
うさぎと暮らすライター。シナリオやインタビュー、コラム、エッセイなどを中心に執筆。小説とお酒と音楽とドラマがあればだいたいご機嫌。