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医師「中性脂肪が増えるかも」→無意識にやっている…気をつけるべき"NGな習慣"とは

  • 2025.10.20
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康診断の結果で「中性脂肪が高めですね」と言われたこと、ありませんか?中性脂肪は体のエネルギー源として役立つ脂肪の一種ですが、増えすぎると体にさまざまな影響をもたらすことが知られています。実は、私たちの日常の「つい」やりがちな生活習慣が中性脂肪の増加につながっているかもしれません。

今回は、医師の視点から「中性脂肪が増えるかもしれないNGな生活習慣」と、それが示す背景についてわかりやすく紹介していきます。

中性脂肪の正体を知ろう!体の中で果たす役割とは?

中性脂肪とは、簡単に言えば「体内の脂肪の一種」です。正式には「トリグリセリド」とも呼ばれ、私たちの体の中ではエネルギーの貯蔵庫として重要な働きをしています。食べ物から摂取した脂肪や余ったエネルギーが肝臓でこの中性脂肪に変えられ、必要に応じてエネルギーとして使われます。

血液中にも一定量の中性脂肪が流れていて、細胞にエネルギーを届ける役割を担っています。ですが、この数値が高すぎる場合は、脂肪が血液中に過剰に存在している状態。これが続くと、血管の壁に脂肪がたまりやすく、動脈硬化などのリスクが高まる可能性が指摘されています。中性脂肪が過剰になり肝臓での処理能力が超えると肝細胞内に脂肪が蓄積し、いわゆる“脂肪肝”になります。

ちなみに、中性脂肪は「悪玉」「善玉」としてよく名前が上がるコレステロールとは別物です。コレステロールは細胞膜や肝臓の材料となる脂質ですが、中性脂肪は純粋にエネルギーの貯蔵体。両者は血液検査でセットで調べられることが多いのですが、それぞれの役割や体への影響は異なります。

具体的なNG習慣を深掘り!

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ここからは特に注意したいポイントを具体的に見ていきましょう。

<運動不足>
体を動かさない時間が長いと、エネルギー消費が減り、血中中性脂肪が高くなる傾向があるとされています。定期的な有酸素運動は脂質代謝を正常に保つのに役立つという見解があります。

<食事の内容>
揚げ物や甘いものの過剰摂取は、体内での脂肪合成を促すとされています。例えば、摂取した糖質が使い切れずに余ると、これが肝臓で中性脂肪に変換される可能性が指摘されています。また、アルコールの過剰摂取も肝臓での脂肪代謝を阻害すると考えられています。

<睡眠不足や生活リズムの乱れ>
十分な睡眠はホルモンバランスを整えるのに必要ですが、慢性的な睡眠不足は脂質代謝に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。夜遅くの食事や不規則な生活リズムは、内臓脂肪の蓄積を促すこともあるとされているため要注意です。

さらに、よくある生活シーンを例にしてみましょう。

・夜遅くにコンビニ弁当や甘いスイーツをつい食べてしまう
・デスクワークで一日ほとんど座りっぱなし
・通勤・通学はいつも車やバスで歩くことが少ない
・お酒が好きでつい飲みすぎてしまうこともある
・毎日忙しくて睡眠時間が確保できない

こうしたパターンは、体内でエネルギー処理が過剰になってしまう要因が複数混ざっていることが多いと想像できます。しかもそれらが習慣化すると知らず知らず中性脂肪の上昇傾向を助長する可能性が指摘されています。

ただし、これらは必ずしもすべての人に同じように影響するわけではなく、個人の体質や生活環境によるところも大きいことも念頭に置くことが大切です。

また、定期的な健康診断で自分の数値をチェックし、変化を知ることも役立ちそうです。生活習慣の積み重ねの影響はゆっくり現れるため、続けやすさを意識した取り組みが長く続けるコツと考えられています。

健康の土台はシンプルな日常の積み重ね

中性脂肪は体に必要な脂肪の1つですが、増えすぎると体調の変化や将来的な健康リスクにかかわってくることがわかってきています。まずは自分が「無意識にやってしまっているかもしれない」中性脂肪を増やす可能性とされる習慣に気づくことが大切です。

今日からでもできそうなことを意識しながら、定期健診で体の状態をより深く知っていきましょう。


監修者:用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック 院長 菊池真大

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慶應義塾大学医学部卒業
東海大学医学部客員准教授
米国ペンシルバニア大学消化器内科元博士研究員
日本アルコールアディクション医学会理事
日本総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本内視鏡学会専門医、日本人間ドック健診専門医、日本病態栄養学会専門医、日本抗加齢医学会専門医
2024年秋、メタボとロコモを同時予防管理する未来志向型クリニックを東京・用賀の地に開業。

https://www.youga-naika.com/