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自分の「好き」に正直に。――【安達祐実】が今着たい夏服

  • 2025.9.13

自分の「好き」に正直に服を選ぶ安達祐実さんの着こなしは、飾らないけれど、目が離せない個性を放ちます。安達さんが考える40代のファッションと人生への向き合い方とは? その答えには、彼女の美しさと芯の強さがそのままに表れていました。


派手すぎたって「可愛ければいいじゃん!」

今回のスタイリングテーマは、 〝ストリートスナップ〞。安達さんのふだんの着こなしや好みをリアルに反映した、自由で楽しいスタイルのオンパレードを見せてくれた。
「でも正直、普段着と比べるとちょっとだけおとなしめかもしれません。GLOW初登場なので、誌面の雰囲気に合わせて少し大人っぽくしてみました(笑)。わたしは、ふだんから色柄物も着ますし、シンプルすぎるものはあんまり選ばないんです。Tシャツも好きだけど、無地よりも断然プリント派。最近は、あんまり人がしないような組み合わせをするのが楽しいです。そもそも人の目をあまり気にしないので、色合わせも『ちょっと派手すぎるかな?』などと考えず、『可愛ければいいじゃん!』って。見る人に不快感を与えなければ、自分の着たいものを自由に着ていい、と思っているんです」

「華奢ストラップの赤いドレスは今のわたしの気分にドンピシャです」マキシ丈のドラマティックなドレスは、シワ加工を施したシアーシャツをラフに巻いて、カジュアルダウン。ドレス2万8600円、シャツ2万3100円(ともにプランクプロジェクト/プランクプロジェクト 青山店) ネックレス13万5240円※参考価格(ベア ボンジャスカ/ベア ボンジャスカ カスタマーケア) バッグ3万6300円、チャーム6380円(ともにリンク) ブレスレット3万7400円(ヌーク/グレープヴァイン バイ ケイスリー)

ご自分でファッションブランドのプロデュースを手がけ、服に対する好みがある程度確立している。一方で被写体となる現場では、スタイリストの提案を受け入れ、『何でも着てみる』という柔軟な姿勢を貫く
「たとえば今回着た赤いドレスは、それ1枚でサマになるけど、白シャツをクシャッと巻くとまた表情が変わる。すごく面白いな、と思うんです。プロの感性でスタイリングされた服は、やっぱり自分では発想できないものだったりするから、そういう提案に身を委ねるのがすごく楽しい。いつも〝こういうのもアリなんだ〞とか、〝この組み合わせなら、この色も可愛く着られる〞というような発見があります。そういう体験を積み重ねたことで、装いに対して自由になれたし、着られる服の幅が広がったんだと思います」

大事なのは自分が人間としてどう成長していくか

安達さんは、現在43才。子役時代からの活躍をテレビでずっと見続けてきた40代にとって、同時代を生き、ともに年齢を重ねてきたという実感を持つ人も多いはず。
「体型とか肌とか、そういうものに対しては、やっぱり『年取ったなぁ』と如実に感じますよ。でもやっぱり、自然に年を取っていくことがいちばんだと思います。人が生きていくってそういうものだから、役者ならその過程を見せるのも大事なことです。だから、わたしは自分自身が変化していくことがおもしろいし、楽しみなんです」

スパンコールやスタッズの装飾がユニークなデニムを上下で合わせ、唯一無二の存在感を演出。日除けになる大判のスカーフで、レトロな味付けも。ベスト5万600円、タンクトップ1万2100円(ともにバウム・ウンド・ヘルガーテン/エスアンドティ) デニムパンツ1万7600円(ラングラー/エドウイン・カスタマーサービス) 靴1万5400円(ハルタ/ハルタ) ベルト3万5200円、スカーフ1万3200円、バッグ3万9600円(すべてトーガ トゥ/TOGA 原宿店)

変化を楽しむには、酸いも甘いもすべてを受け入れるだけの器が必要だろう。そしてその境地に至るには、それまでの経験や想いの積み重ねがあってこそなのかもしれない。
「10代、20代の頃は、子役のイメージが強くて『いつまでたっても子どもにしか見えない』と言われることが多く、自分のルックスに自信が持てませんでした。『どうしたら大人っぽく見せられるだろう?』と真剣に悩んでいたけれど、本当に考えるべきはそこじゃなかった。自分が人間としてどう成長していくかの方が何倍も大事だということに気がついたんです。そこからは、見た目の幼さは気にならなくなりました」

【PROFILE】安達祐実(あだち ゆみ)
1981年9月14日生まれ、東京都出身。俳優。2才からキッズモデルとして活動を始め、1994年、12才で主演した『家なき子』(日本テレビ系)が大ヒットし社会現象となった。以後、幅広い役をこなす実力派俳優として数々のドラマ、映画、舞台に出演。ファッションブランド『虜 To rico』、コスメブランド『Upt』のプロデュース等、活動は多岐にわたる。


撮影=生田昌士〈hannah〉 スタイリング=船橋翔大ヘア&メイク=林由香里 取材・文=土谷沙織 ※GLOW2025年9月号より

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