1. トップ
  2. 7年の時を経て“奇跡の集結”! 2018年に大ヒット作品を生んだ2人がタッグを組んだ“秋の新作ドラマ”

7年の時を経て“奇跡の集結”! 2018年に大ヒット作品を生んだ2人がタッグを組んだ“秋の新作ドラマ”

  • 2025.9.18

2018年、ある二つのドラマが大きな注目を集めた。一つは1月クールに放送されたTBS金曜ドラマ『アンナチュラル』、もう一つは、4月クールに放送されたテレビ朝日土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』。あれから7年経ち、その二つのドラマを手がけたクリエイターがタッグを組む。10月クールで放送される『ちょっとだけエスパー』は、2018年ドラマの夢のタッグと言えるだろう。

野木亜紀子の7年間

undefined
野木亜紀子 (C)SANKEI

1年間のうちに放送されたドラマを表彰する東京ドラマアウォード。東京ドラマアウォード2018では、『アンナチュラル』と『おっさんずラブ』が各部門で評価され、個人賞では二つの作品による独占状態となっていた。

東京ドラマアウォード2018で脚本賞を受賞したのは、『アンナチュラル』を手がけた野木亜紀子だ。彼女にとって初の単独執筆によるオリジナル作品になった『アンナチュラル』は、その後さまざまな展開へ。2020年には、同じ世界線が描かれた『MIU404』が放送され、2024年夏には映画『ラストマイル』が公開された。

そのシリーズ以外にも、2020年に映画『罪の声』で第44回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞し、ドラマ『獣になれない私たち』では、第37回向田邦子賞を受賞している。脚本を手がけたドラマ『フェンス』は、第61回 ギャラクシー賞(放送批評懇談会)のテレビ部門大賞に選ばれている。

野木は、『アンナチュラル』以前から、ドラマ『空飛ぶ広報室』や『重版出来!』、『逃げるは恥だが役に立つ』、映画『図書館戦争』シリーズなど原作ものの作品で脚本技術に対して高い評価を得てきた。『アンナチュラル』は、その技術を遺憾なく発揮しつつ、野木自身の作家性が強く反映されたはじめての作品と言えるだろう。

あれから7年、クライムサスペンスやホームコメディ、ヒューマンドラマなどさまざまなジャンルに挑戦してきた野木が、『ちょっとだけエスパー』でSFに挑戦する。彼女の社会を見つめる目線が、SFジャンルにおいてどのように表現されるのか注目したい。

貴島彩理プロデューサーの7年間

東京ドラマアウォード2018の連ドラ作品賞でグランプリを受賞したのは、『おっさんずラブ』だ。当時、まだ連ドラをメインで担当したことがなかった貴島彩理プロデューサーが手がけた作品。『おっさんずラブ』は2018年、大きな話題を呼び、一大ムーブメントを引き起こした。タイトルのおっさんずラブは、『2018 ユーキャン新語・流行語大賞』の候補に選ばれ、2019年には深夜ドラマから続編映画の制作へ。シリーズ作品となるドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』と『おっさんずラブ-リターンズ-』も制作された。

以降、貴島はテレビ朝日のゴールデン・プライム帯ドラマを任されるプロデューサーに成長。『にじいろカルテ』では岡田惠和と『あのときキスしておけば』『星降る夜に』では、大石静などベテラン脚本家とタッグを組むことも増えた。『無能の鷹』では、原作ものが得意な脚本家の一人である根本ノンジとタッグを組み、原作のエッセンスを生かしながらも、別の軸も成り立たせていくドラマならではの魅力を表現した。

2025年は、ドラマ『魔物(마물)』でプロデューサーを務め、テレビ朝日と韓国の制作スタジオ・SLLによる日韓共同制作のオリジナルドラマで成功を収めた。『おっさんずラブ』から始まった飛躍の7年間ということができるだろう。

貴島がこれまで手がけてきた作品は、どちらかといえばコメディ要素が強い作品が多かった。野木はジャンルレスな脚本家であるが、これまでクライムサスペンス作品で注目を集めることが多かったように思う。そして、主演はどんなジャンルもお手のものである大泉洋。SFジャンルということもあり、物語の雰囲気が読めない作品になるだろう。

野木と貴島がタッグを組むことで、これまで注目されていたのとは別の側面の野木の作家性が発揮される作品になるのではないだろうか。SFラブロマンスという聞きなじみのないジャンルである本作が、どのように展開していくのかを楽しみに、放送を待ちたい。


ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202