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医師「自覚症状がほとんどない場合も」→内視鏡検査で見つかる病気トップ3『ポリープ』や『胃炎』に次ぐ第1位とは?

  • 2025.9.5
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「健康診断で内視鏡検査を勧められたけど、実際には何がわかるの?」「なぜ内視鏡検査がそんなに大切なのか知りたい」そんな疑問を抱える人は多いですよね。内視鏡検査は胃や腸の内部を直接見ることができる検査で、多くの病気の早期発見につながります。
今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『内視鏡検査で見つかる病気トップ3』について紹介します。

内視鏡でよく遭遇する疾患トップ3

内視鏡検査は、体内に先端がカメラになっている細い管を挿入し、消化管の状態を直接観察できる検査です。

特に胃カメラ(上部消化管内視鏡)や大腸カメラ(大腸内視鏡)が一般的で、そこから得られる情報は非常に多岐にわたります。

第3位:胃ポリープ

胃の粘膜にできる小さな「できもの」がポリープです。胃ポリープには過形成性ポリープ・腺腫性ポリープ・炎症性ポリープなど複数の種類があり、多くは良性ですが、中には形や大きさの変化を伴い悪性の可能性が疑われるものもあります。

症状がなければ治療は不要なことも多いですが、出血を伴う場合や悪性の可能性がある場合には、組織検査や切除が検討されます。切除は出血リスクが高いため、必要に応じて入院で行われるのが一般的です。

第2位:胃炎

胃炎は非常に頻度の高い病気で、内視鏡で観察すると「赤み」「びらん(ただれ)」「粘膜の萎縮」などさまざまな形で現れます。

代表的なのは以下のタイプです:

  • 表層性胃炎・びらん性胃炎:ストレスや胃酸過多が原因で起こる
  • 萎縮性胃炎:ピロリ菌感染が大きく関与
  • 自己免疫性胃炎:特殊なケースで、追加の治療が必要になることもある

症状がない場合は経過観察で問題ないことも多いですが、胃もたれ・痛み・出血などがある場合は治療が必要となります。

第1位:逆流性食道炎

もっともよく見つかるのが「逆流性食道炎」です。胃の中の胃酸が食道に逆流することで、粘膜に炎症を起こす病気です。食道は胃酸に弱いため、胸やけや喉の違和感、胸の痛みといった症状を引き起こします。

内視鏡では、粘膜が白く濁ったり、赤み・むくみを伴ったりする所見が見られ、重症度は「グレード」で分類されます。

日常生活での予防ポイント

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
  • 食後2時間は横にならない
  • 枕を高くして寝る
  • ベルトやコルセットなど腹圧を高めるものを避ける
  • 過食・飲酒・喫煙を控える

これらを心がけるだけでも症状の改善につながるそうです。

大腸内視鏡でよく見つかる疾患トップ3

第3位:痔(じ)や炎症性の変化

大腸内視鏡では「痔による出血」や「大腸の炎症」が比較的よく見られます。
痔は軽度であれば放置しても問題ないことが多いですが、痛み・かゆみ・出血が強い場合には薬や、まれに手術が必要になることもあります。

一方、炎症に関しては幅広く、潰瘍性(かいようせい)大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患から、感染や薬剤による一時的な炎症までさまざまです。中には治療の必要がないケースもありますが、もし潰瘍性大腸炎などの病気が見つかった場合は、早期に専門的な治療をすることが重要です。

第2位:憩室(けいしつ)

憩室とは、大腸の壁の一部が弱くなって「小さな袋状のくぼみ」ができる状態をいいます。
多くの場合は無症状で治療の必要はありませんが、そこに傷がついたり炎症を起こすと「憩室出血」や「憩室炎」となり、激しい腹痛や大量出血を伴って入院治療が必要になることもあります。

一度できた憩室は自然に治ることはなく、体質や生活習慣とも関係しているため、「憩室とどう付き合うか」がポイントになります。

第1位:大腸ポリープ

最もよく見つかるのが大腸ポリープです。
胃にできるポリープは良性のことも多いですが、大腸の場合は大腸がんに進行する可能性があるポリープが少なくないため、基本的には切除を行うことが推奨されます。

大腸ポリープは自覚症状がほとんどなく、検査で初めて見つかることが多い病気です。そのため、「早期発見・早期切除」が大腸がん予防のカギになります。

内視鏡検査の重要性

大腸や胃の病気の中には、内視鏡検査をしないと診断できないものが多くあります。たとえば、潰瘍性大腸炎や大腸ポリープは治療が必要になる代表的な疾患です。また、逆流性食道炎も症状が強ければ治療対象になります。

ただし、これらの病気は症状だけでは見分けがつかないケースが多いのが特徴です。胸やけ・つかえ感があって「逆流性食道炎かも」と思っても、実際には食道のアレルギー性疾患や、食道が狭くなる病気など別の原因が隠れていることもあります。

また、大腸ポリープはほとんど症状がなく、自覚症状から気づけることはほぼありません。

そのため、「症状が気になるとき」「長引いているとき」「数値が気になるとき」には一度は内視鏡検査を受けてみることが大切です。実際に内視鏡で確認して、病気の種類や重症度を判断することができますよ。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『【TOP5】内視鏡検査で見つかる病気トップ5!早期発見の重要性について解説


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。