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医師「なるべく食べて」 大腸がん予防に効果があった…積極的に食べたい『食材』とは

  • 2025.9.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

大腸がんは日本でも患者数が増えている怖い病気の一つですが、「なるべく食べて」という医師のアドバイスをご存知でしょうか?実は、食生活を見直すことで大腸がんのリスクを下げる効果があるとわかってきました。気軽に取り入れられる「食べたい食材」があるなら、ぜひ毎日のメニューに加えたいところ。今回は医師も注目する、大腸がん予防に効果的な食材とその理由をわかりやすく解説します!

食べることが大腸がん予防につながる?その秘密とは

大腸がんは、大腸(結腸や直腸)にできる悪性腫瘍のこと。日本では高齢化や食生活の欧米化に伴い、年々患者数が増加していますが、進行するまでほとんど症状が現れません。そのため、定期的な検査を受けることが非常に重要です。

次のような方はリスクが高いため、特に注意が必要です。

  • 50歳以上(ただし30~40代での発症も増加中)
  • 家族に大腸がん患者がいる(遺伝的リスク)
  • 脂肪分や加工肉中心の食生活(野菜・食物繊維不足も危険)
  • 飲酒・喫煙習慣がある
  • 運動不足・座りっぱなしの生活

まず知っておきたいのは、大腸がんの発症には食生活が大きく関わっているということです。肉類の過剰摂取や脂肪分の多い食事が問題視される一方で、適度な食物繊維やビタミン、ミネラルを摂ることの重要性が注目されています。

大腸の健康を支えるためには、腸内環境を整えることが欠かせませんが、これは「食べる内容」で大きく左右されるのです。

大腸がん予防に効果が高い「積極的に食べたい食材」

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

大腸がん予防に有効な食材をピックアップしてみました。

1、食物繊維が豊富な「海藻類」「キノコ」

ワカメや昆布、ひじきなどの海藻類、キノコは食物繊維が豊富で、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にすることで便通を整えます。これにより、発がん性物質が腸内に長くとどまるのを防ぐ効果が期待されています。
また、食物繊維はビフィズス菌などの善玉菌のエサとなって腸内細菌を改善し、大腸がんの予防に繋がることも明らかになってきました。これらに含まれる抗酸化成分や、海藻類・キノコに含まれる「ラミナリン」、キノコの「エルゴステロール」「ビタミンD」にも大腸がん抑制作用が示唆されています。ただし、昆布など海藻類にはヨウ素が多く含まれるため、毎日過剰に摂取すると甲状腺機能に影響を及ぼす恐れがあります。摂り過ぎに注意して、キノコと合わせてバランスよく取り入れましょう。

2、発酵食品の定番「納豆」

納豆は大豆由来の栄養価が高く、食物繊維だけでなく発酵によって作られる善玉菌が腸内環境を整えます。善玉菌が増えることで免疫機能が高まり、炎症の抑制にもつながりやすいため、大腸がん予防にも効果が期待できます。

3、 抗酸化作用が強い「緑黄色野菜」

人参、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜には、抗酸化力を持つビタミンAやC、βカロテンが豊富に含まれます。さらに食物繊維もたっぷりで、腸内環境を改善する効果が重なることで予防が期待されます。

せっかく効果的な食材がわかっても、急に全てを食べようとすると続きませんよね。毎日のご飯に少しプラスしていくことが大切です。例えば、味噌汁にわかめや昆布などの海藻類、なめこや椎茸、舞茸などのキノコを入れる、朝の納豆を食べる習慣をつける、夕食の副菜に緑黄色野菜を使うなど、日常の中に上手に取り込んでみましょう。

ただし、食物繊維ばかりを過剰に摂ると、お腹が張ったり便秘になる人もいます。また、塩分の多い加工海藻や納豆のタレの塩分にも注意が必要。多様な食材をバランスよく食べることが健康維持の基本です。また、食事以外の生活習慣も大腸がんのリスクに関係するため、適度な運動や禁煙などと合わせて健康を目指しましょう。

まとめ:食べることが未来を変える!毎日の食材選びに注目を

大腸がんは決して他人事ではなく、食事が予防につながる大切なカギ。医師が「なるべく食べてほしい」と勧めるように、海藻類や納豆、緑黄色野菜は手軽で効果的な選択肢です。

腸の健康を守り、発がんリスクを減らすために、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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東京女子医科大学消化器内科に入局後、複数の医療機関で胃・大腸内視鏡を中心とした臨床経験を積み、同大学病院助教を経て2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及をミッションに掲げ、健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療、内視鏡検査と幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性をわかりやすく発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

都内トップクラスの内視鏡設備を完備し、土日診療対応、胃・大腸カメラ同日検査、専門医による鎮静下内視鏡、女性医師による検査体制など、患者さんの苦痛を抑えたきめ細かな検査環境を提供。今後も一人でも多くの患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、質の高い医療サービスを追求し続ける。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com