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25年前、80万枚超を記録した“素材を味わう贅沢バラード” 異彩を放った兄弟ドラマの“静かな強烈OPソング”

  • 2025.9.5

「25年前、画面越しに心を揺さぶった“あのバラード”を覚えてる?」

2000年の日本。街角のCDショップにはJ-POP黄金期を象徴するシングルがずらりと並び、最新曲を求める人々で賑わっていた。音楽の中心はまだCDであり、音楽番組やドラマ主題歌がチャートを決定づける時代だった。カラオケボックスには学生や社会人が集まり、仲間とともに流行のバラードを熱唱する光景が日常。街全体が音楽と共に呼吸していた。

そんな時代にリリースされた一曲が、世代を超えて今なお人々の胸に残っている。

KinKi Kids『もう君以外愛せない』(作詞・作曲:周水)——2000年6月21日発売

映像と重なり合った“美しい調べ”

この曲は、堂本光一が主演を務めたドラマ『天使が消えた街~自閉症の兄を愛した時間~』(日本テレビ系)のオープニングソングとして届けられた。

夢を失い社会の底辺に埋もれていた弟(堂本光一)と、自閉症を抱えた兄(藤井フミヤ)との絆を描いた物語。主人公が自らの血を分けた兄と再会し、人生の意味を模索していく姿は、当時のテレビドラマの中でも異彩を放っていた。そこに重なるのが『もう君以外愛せない』の旋律だった。

切なくも強いメロディがドラマに寄り添い、映像と音楽が一体となって視聴者を物語の中へと引き込んだ。単なるタイアップを超え、ドラマと楽曲がお互いを高め合ったのである。

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「ストリートアートの進化と革命 展」記者会見に出席した堂本剛-2025年撮影 (C)SANKEI

周水が紡いだ“普遍の愛のかたち”

作詞・作曲を手がけたのはcannaの周水。彼の筆致は、単なる恋愛の歌にとどまらず、もっと普遍的な“誰かを思う気持ち”を描き出す。シンプルでありながら心に深く残るメロディ、そして余白を大切にした言葉の連なりは、KinKi Kidsの歌声を引き立てるために緻密に設計されているかのようだった。

堂本剛の伸びやかで艶やかなボーカルと、堂本光一の柔らかく澄んだ声。その二つの個性が互いに溶け合い、曲そのものが“寄り添いの物語”を体現していた。歌う二人の姿は、まるでドラマの主人公兄弟を音楽で代弁するかのようでもあり、聴き手に強烈な印象を残した。

静けさの奥に潜む“情熱の響き”

『もう君以外愛せない』の魅力は、シンプルさの中に潜む厚みのあるアレンジにある。ピアノとストリングスが静かに旋律を支えながら、その上でギターの響きが切なさと力強さを同時に描き出す。ひとつひとつの音色が輪郭を持って浮かび上がり、歌声の温度をより鮮明に伝えている。

音楽番組で披露されるたびに、観客はその世界に静かに引き込まれた。派手なダンスや演出ではなく、歌声と旋律、そしてピアノの余韻に耳を澄ませる時間。それが贅沢だった。

25年を越えて胸に届く“永遠のバラード”

このシングルは、夏を感じさせる爽やかなポップチューン『夏の王様』との両A面としてリリースされた。疾走感あふれる夏歌と、心を震わせるバラードという対照的な2曲を同時に届けることで、KinKi Kidsの表現の幅が際立った。結果として、シングルは80万枚を超えるセールスを記録し、2000年の音楽シーンに確かな存在感を放った

あれから25年。音楽の聴き方はCDからサブスクへと移り変わり、街の風景も大きく変化した。それでも、『もう君以外愛せない』を耳にすると、当時のテレビ画面や街の情景が鮮やかに蘇る。

KinKi Kidsのディスコグラフィの中でも、切なく美しい光を放ち続ける一曲。『もう君以外愛せない』は、これからも“永遠”のバラードとして語り継がれていくだろう。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。


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