『糖尿病のリスク』を遠ざける→医師が教える、“身体が喜ぶ”食べ物 … 海藻、キノコ、そして“意外なもう１つ”は？

糖尿病は日本人の生活習慣病の中でもとくに気になる存在。怖いのは、血糖値の異常がじわじわと体をむしばんでいくこと。そのリスクを少しでも減らすためには、日頃の食事がカギを握ります。実は、海藻やキノコなど、普段何気なく食べている“身体が喜ぶ”食材に、糖尿病予防に役立つパワーがあるってご存じでしたか？それに加え、意外なもう1つの食べ物も医師から注目されています。今回は、糖尿病のリスクを食事で遠ざけるポイントをわかりやすくご紹介します！

糖尿病のリスクを上げる原因と食事での予防ポイント

糖尿病は、主に血糖値のコントロールがうまくいかなくなる病気。食事の際に糖質を摂りすぎると、血糖値が急激に上昇し、インスリンの分泌が追いつかず体の調整機能が乱れてしまいます。肥満や運動不足も大きな影響を与えるため、生活習慣の改善が基本となります。

では、糖尿病リスクを減らすためにどんな食材が効果的かというと、身体の調子を整えやすい「海藻」と「キノコ」が代表的。まず、海藻は食物繊維が豊富で、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。さらにミネラルも多く含まれ、代謝のサポートに役立つのです。また、キノコも低カロリーかつ食物繊維がたっぷり。腸内環境を整え、血糖値のコントロールにも良い影響を与えます。糖質の吸収を緩やかにするこれらの食材は、食事に取り入れやすいのがうれしいポイントです。

ただし、海藻類はヨウ素という成分をとても多く含んでいます。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になる大切なものですが、摂りすぎると逆に甲状腺の働きを下げてしまうことがありますので、甲状腺に持病がある方や妊娠中の方は、摂りすぎに注意してください。

医師が注目する“意外なもう1つ”の食材とは？

実は、医師が推奨する“身体が喜ぶ”食べ物は海藻やキノコだけではありません。もう1つ、見逃せないのが「ナッツ類」です。ナッツは不飽和脂肪酸やビタミンE、食物繊維、ミネラルが豊富で、悪玉コレステロールの減少や動脈硬化の予防に役立ち、心血管の健康を促進します。また、低糖質・高繊維により血糖値の急上昇を防ぎ、満腹感を持続させて体重管理にも効果的です。

糖尿病の人は、アーモンド、クルミ、ピスタチオなどのナッツが推奨されており、心血管の健康にも良い影響があります。ただし摂りすぎると脂質がオーバーしてしまうため、塩分や糖分でコーティングされていないナチュラルなナッツを1日約28～30グラム（ひと握り程度）を目安に食べるとよいでしょう。

健康的な食生活で糖尿病のリスクをしっかりガードしよう！

糖尿病のリスクを遠ざけるためには、日々の食事の工夫が何より大切です。海藻やキノコは普段の和食メニューにも取り入れやすく、食物繊維が血糖値の急上昇を防いでくれます。そして医師が注目するナッツは、意外にも血糖値コントロールに効果的な栄養を豊富に含む頼もしい味方と言えます。

もちろん、食べ物だけでなく適度な運動や規則正しい生活も糖尿病予防には外せませんが、「美味しくて身体が喜ぶ」食事で無理なく健康をキープしていきましょう。

監修者：澤口達也 / 豊洲内科・糖尿病 / 形成・美容外科クリニック

医師、医学博士、糖尿病専門医。豊洲内科・糖尿病 / 形成・美容外科クリニック院長。
糖尿病専門医として、日々、糖尿病や肥満症、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病の患者さんの診療に従事し、食事指導や運動指導で数多くの方の減量を成功させている。自身でも様々な食事療法やトレーニングを実践しており、過去にはアスリートフードマイスターや加圧トレーニングインストラクターの資格を取得。また現在、健康スポーツ医、格闘技イベントでのリングドクターとしても活動している。