1. トップ
  2. 『なぜかおならが臭い人』には“ある共通点”があった… においの原因になるかもしれない“NG習慣”とは?【医師の監修】

『なぜかおならが臭い人』には“ある共通点”があった… においの原因になるかもしれない“NG習慣”とは?【医師の監修】

  • 2025.8.25
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

あなたはふと自分のおならが臭いと感じたことはありませんか?おならは誰にでも起こる自然な生理現象ですが、中には「なぜか臭い!」と悩む人も多いものです。実は、その原因には共通した生活習慣や食生活のパターンが隠れていることが判明しました。この記事では、なぜおならが臭くなるのか、そのメカニズムと避けたいNG習慣、そして臭いを抑えるヒントをご紹介します。ちょっと避けたくなる話かもしれませんが、実はとても身近で簡単に改善できるポイントもありますよ。

おならが臭くなるのはなぜ?気になる原因を徹底解説

おならが臭う主な原因は、体内で作られるガスの成分にあります。健康な腸内では腸内細菌が食べ物を分解し、その過程でガスが発生。特に硫化水素やアンモニアなどの臭い成分が含まれることが多いのです。硫化水素は腐った卵のような臭いとなるため、これらのガスが増えると、おならの臭いが強くなります。

では、なぜ特定の人のおならは特に臭うのでしょうか?ひとつは「腸内環境のバランスの乱れ」です。悪玉菌が増えると硫化水素を発生させる悪臭物質も増加。加えて、高タンパク・高脂肪の食事や、水溶性食物の繊維不足、アルコールの過剰摂取が腸内環境を悪化させることが明らかになっています。つまり、食生活が臭いおならの重要なカギを握っているんですね。

また、ストレスや睡眠不足も腸の動きを妨げて腸内環境に悪影響を与えるため、これらも知られざる原因として注目されています。

嫌な臭いを生み出すNG習慣とは?日常生活で注意したいポイント

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

臭いおならを発生させてしまう生活習慣には、いくつかのNGパターンがあります。まずは高脂肪・高タンパクな食事の多用。特に動物性の脂や肉類を大量に摂取すると、硫化水素ガスが増え、臭いがきつくなることが知られています。

次に、水溶性食物繊維の不足です。海藻類や大麦、熟したフルーツなどの水溶性食物繊維は、便を柔らかくして排便しやすくするため便秘にも効果的です。水溶性食物繊維は腸内細菌のエサ(プレバイオティクス)となって発酵を活発にするので、腸内環境が整います。繊維が不足すると善玉菌のエサが足りず、腸内環境が悪化。便秘になりやすく、悪臭のもととなるガスの発生量も増加するのです。また、不溶性食物繊維の場合、水分を含んで便の容量を増やすことや腸の運動を促すことで便秘の解消をします。豆類・イモ類などの不溶性食物繊維を過剰に摂取すると腸内でガスが発生することもあるので、臭いには影響しませんが、おならが増える原因になるため不溶性食物繊維の摂取のしすぎにも注意しましょう。

さらに、アルコールの過剰摂取も腸の粘膜を傷つけて炎症を起こし、臭いの強いガスが増えがちに。腸炎によっても腸内細菌が乱れるため、悪玉菌が増殖して臭いの元となる成分を含んだガスが発生しやすくなります。

加えて、乱れた生活リズムや慢性的なストレスも見逃せません。腸は「第二の脳」とも言われ、自律神経の影響を大きく受けます。ストレスで腸の動きが鈍くなり、ガスが溜まりやすくなるのです。加工食品や甘いお菓子の食べ過ぎも腸内の悪玉菌を増やす原因になるため、これらの食品の摂り過ぎも臭いおならと関わりがあると考えられています。

また、気をつけたいのが「大腸がん」の可能性。腸内の悪玉菌が増えすぎると、大腸がんのリスクが高まります。悪臭のあるおならが頻繁に出る場合は、悪玉菌の増加や大腸がんの可能性を示しているかもしれません。また、大腸がんによって便秘が起こり、腸内にガスがたまりやすくなることも。このように、おならの臭いと大腸がんには密接な関係があるため、気になる場合は医療機関に相談してみるのがよいでしょう。

体からのサインを見逃さないで

おならの臭さは決して恥ずかしい話ではなく、体の健康状態や生活習慣を示すサインでもあります。今回ご紹介したように、腸内環境の乱れや偏った食事、ストレスなどが臭いの原因となるため、まずはバランスの良い食生活を心がけることが大切です。特に食物繊維をバランスよく十分に摂り、動物性脂肪や加工食品の摂取を控えめにすることが効果的。加えて、水分の摂取や適度な運動や十分な睡眠、ストレスケアも忘れずに。

また、一部で腸炎や大腸がんなどのサインとされる場合もあるので、気になる症状がある場合は放っておかずに医療機関を受診しましょう。


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

undefined

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com