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『認知症になりづらい人』には“ある共通点”があった…脳の老化を防ぐ“意外な移動方法”とは?

  • 2025.9.9
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

年齢を重ねるにつれて気になるのが「認知症」のリスク。誰もができるだけ脳の老化を防ぎ、いつまでも元気でいたいですよね。最近の研究では、認知症になりづらい人には“ある共通点”が見つかりました。それは毎日の「移動方法」に関連しているというのです。意外かもしれませんが、ただ歩くのではなく、ある工夫をした移動が脳の健康を守っていることがわかってきました。今回は、そんな脳に効く“移動術”について詳しく解説します。

認知症予防に繋がる移動方法は『自転車』

認知症は脳の老化や機能低下が原因の1つですが、生活習慣の見直しでその進行を抑えられることが分かっています。そのなかで、運動習慣はとても重要な役割を果たしています。なかでも「自転車」が脳に良い影響を与えると注目されています。

自転車に乗ることは単なる運動ではありません。全身運動としての効果に加え、複雑なバランス感覚や判断力、景色を確認する視覚情報の処理など、脳への刺激が多面的に与えられるためです。

特に、下半身の筋肉を使うことで血流が促進され、脳に十分な酸素や栄養が届けられることで神経細胞の活性化が期待できます。さらに、行き先を考えたり、交通ルールを守りながら安全に運転する認知機能を維持しやすい点もポイントです。医師によると、大規模観察研究で自転車を含む“アクティブ移動” が認知症リスク低下と関連する報告があるとのこと。

自転車に乗るメリットとは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

 

自転車移動が良いと言われるポイントはいくつかあります。まず1つ目は自転車が持つ複合的な運動効果と脳トレーニング的側面にあります。例えば、自転車はバランスを保ちながら漕ぐ運動ですが、これが脳の小脳や前頭前野を活発に動かすとされています。これらの部位は記憶や意思決定、運動制御に関わっているため、使うことで脳の老化を防ぎやすくなります。

また、自転車を使うことで、目的地へのルート選択や周囲の状況判断なども必要となり、認知機能全般を鍛える効果も期待できるのです。さらには、外の景色や自然に触れることでストレスが軽減され、精神的な健康にも良い影響があると考えられています。認知症予防において注目度が高まっています。

ただし、安全面や体調には十分注意し、無理のない範囲で自転車移動を生活に取り入れることが大切です。公道での走行は各自自体のルールを確認し、体力に自信がない方は平坦な道を選ぶなど工夫しましょう。特に高齢者の方は転倒などにより怪我をする恐れもあるので無理をしないことが大切です。

毎日のちょっとした工夫で脳も体も元気に!自転車移動のススメ

自転車は単なる移動手段ではなく、脳のトレーニング器具にもなる素晴らしいアイテムです。徒歩よりも広範囲を短時間で移動できるのも便利で、買い物や散歩の延長にもぴったり。

もちろん、最初は無理せず、少しずつ距離や時間を伸ばしていきましょう。また、自転車移動だけでなく、バランスの良い食事や質の良い睡眠、適度な社交活動なども合わせることで、より効果的に認知症のリスクを減らせる可能性があります。

脳の若さは毎日のちょっとした習慣から守られるもの。今日から少し意識して認知症予防をはじめてみませんか?


監修者:鈴木枝里子
医療法人社団ユーアイエメリー会(埼玉県久喜市)理事長
精神科専門医、精神保健指定医