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『歯が少ない人』は“認知症”になりやすい?!→歯科医師が明かす、“衝撃の事実”とは…

  • 2025.9.2
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「歯が少ないと認知症になりやすい」そんな話を聞いたことはありませんか?実は、近年の研究でこの関係性が注目されており、歯の本数と健康な脳の関係について医療界でも大きな関心が寄せられています。何気なく見過ごしがちな歯のケアが、認知症予防に重要なカギを握っているかもしれません。今回は、歯科医師の見解をもとに、歯の健康と認知症の関係についてわかりやすく解説します。あなたの「口」と「脳」の意外なつながりに驚くこと間違いなしです!

歯が少ないとどうして認知症リスクが上がるの?意外なメカニズムを探る

まず、歯が少なくなると噛む力が弱くなり、食べ物の咀嚼(そしゃく)能力が低下してしまいます。

咀嚼は脳への刺激を促し、血流を増やす役割があります。噛む力が弱まることで、脳細胞に十分な刺激が行き届かず、認知機能の低下につながると考えられています。

さらに歯の喪失は口腔内の細菌バランスを崩す原因に。歯周病菌などの悪玉菌が増えると全身の炎症反応を引き起こし、この慢性炎症が脳に悪影響を及ぼし、アルツハイマー型認知症などのリスクを高める可能性があります。つまり、歯の健康は口の中だけでなく、脳の健康にも大きく影響を与えているのです。

日常生活でできる認知症予防法

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

実は2017年に発表された研究結果によると、年齢や生活習慣にかかわらず、歯がほとんど残っていない人は20本以上歯が残っている人に比べて約2倍、認知症になりやすいという結果が発表されています。※

認知症にならないためには健康な歯をキープすることも大切なポイントとなってくるのです。

歯の健康は歯磨きだけでなく、適切な治療や入れ歯の調整、定期的な歯科検診によっても守ることができます。まずは、日常生活で下記の点に注意しましょう。

  • 毎日の丁寧な歯磨き:プラークや歯石をためないように、歯ブラシだけでなく歯間ブラシ等も活用しましょう。
  • 定期的な歯科医師のチェック:歯周病や虫歯の早期発見・治療が可能になります。
  • よく噛んで食べる習慣:脳への刺激としても積極的に噛むことが推奨されています。
  • 禁煙やバランスの良い食事:口の中の環境の悪化を防ぐために必要です。

健康な歯を保つための習慣は認知症のリスク軽減だけでなく、全身の健康維持にも役立ちます。つまり、歯のケアは単なる見た目や食べやすさを維持するためだけでなく、脳の健康のためにも欠かせないポイントといえるのです。

認知症予防と歯の健康について考えてみよう

歯が少なくなることは、見た目の問題にとどまらず、認知機能を含む全身の健康に直結していることがわかりました。「歯は健康の入り口、脳の元気の鍵」となります。

まずは毎日の歯磨きや生活習慣を改善してみるのが第一歩となります。また、定期的な歯科検診もお忘れなく。今日からできることを始めましょう。

※参考:歯科から考える認知症予防への貢献(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoi/30/4/30_230/_pdf


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

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昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。