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医師「認知症の予防に効果的」→実は『脳の活性化』に繋がる…意外と知られてない“ある習慣”とは?

  • 2025.8.31
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

認知症予防の話題が注目される中、“歩き方”が予防のカギになると言われています。単に歩くことはもちろん大事ですが、どう歩くかで脳への血流量や活性化効果が変わるのをご存知でしたか?最新の医療研究では、適切なウォーキング術を実践すると、脳の血流が最大化され記憶力や判断力の低下を遅らせる効果が期待されています。今回は医師が科学的根拠に基づいて教える、認知症予防に効果的なウォーキングのコツをご紹介します。

記憶のカギを握るアセチルコリンとは?認知症への影響を探る

脳が正しく働くためには、常に十分な血液が流れていることが必要です。

脳の神経細胞は血流の低下に非常に弱く、いったん損傷を受けると再生する能力がほとんどありません。高齢者やアルツハイマー型認知症の患者では、記憶などの高次機能を担う大脳皮質や海馬において、脳血流の低下が認められます。これらの部位には、大脳の深部から伸びてきてアセチルコリンという神経伝達物質を放出する神経(アセチルコリン神経)が分布しており、脳の働きに重要な役割を果たしています。

アセチルコリンの機能を保つためには生活習慣や脳の活性化も大切だと言われています。適度な運動やバランスの良い食事、脳トレーニングなどがアセチルコリンの分泌を促し、認知症の予防に繋がる可能性があるのです。

歩くことで足裏の感覚やバランス機能が刺激され、それが脳の神経ネットワークを活性化させることも認知症予防に寄与すると考えられています。単純に歩くだけではなく、正しいフォームや意識的に身体感覚を磨くことも大切だと言えます。

また、歩行速度の低下は早期認知症の症状としても知られているので、認知症の1つの釣行ということも知っておきたいポイントです。

医師がすすめる脳血流“最大化”ウォーキング術のポイント

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

それでは、どうすれば脳の血流を最大限に引き出せるウォーキングが可能なのでしょうか?専門家によると、以下のポイントを押さえることが効果的です。

  • 姿勢を正す:背筋をまっすぐ伸ばし、視線は前方に。頭をわずかに持ち上げ、あごを引くことで呼吸が楽になり、血流が良くなります。
  • 歩幅を意識する:大股すぎず小股すぎず、自然に伸ばせる範囲でステップを踏みましょう。過剰な力みは逆効果です。
  • 歩く速度を調整:速すぎると心拍数が上がりすぎて疲労に繋がり、遅すぎると脳への刺激が弱まります。会話ができる程度のゆったり目のペースが理想的。
  • 足裏の感覚に注目:かかとから着地し親指で蹴り出す足のローリングを意識し、地面を感じることで神経への刺激を促進します。
  • リズムを保つ:一定のリズムで歩き続けることは脳のリズム感覚と連動し、認知力の維持に好影響をもたらします。

さらに、週に数回、坂道や軽い階段を取り入れることで心肺機能が鍛えられ、全身の血流改善にもつながります。ただし無理のない範囲で継続することが重要です。

そして運動は認知症だけでなく、うつ病や不安障害にも有効です。

毎日の歩き方を意識しよう

認知症予防を考えるなら、ただ歩くだけでなく「どう歩くか」が非常に重要です。

姿勢を正し、歩幅やペースをコントロールしながらリズムよく歩くことで、記憶力や認知機能の維持に役立ちます。日光や自然の中でのウォーキング、適度な負荷をプラスすることも効果的。これらのポイントを意識すれば、毎日の散歩がただの運動から脳を鍛えるエクササイズに変わるのです。

忙しい現代人だからこそ、無理なく継続できる習慣づくりを目指し、今日から正しい歩き方で脳の健康を守っていきましょう。


監修者:鈴木枝里子
医療法人社団ユーアイエメリー会(埼玉県久喜市)理事長
精神科専門医、精神保健指定医