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「40年前の曲だけど…」日本中が心を奪われた“ウィンクの仕草” 結婚前ラストの節目を飾った“恋のときめきポップ”

  • 2025.9.11
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石原裕次郎の芸能生活30周年記念特番「心を唄い 心を語る」にゲスト出演してハワイアン・ウエディング・ソングを唄う松田聖子(C)SANKEI

「40年前、街角で“ウィンク”を真似したことはある?」

1985年の冬、日本の音楽シーンはきらびやかなアイドルポップスで満ちていた。街のレコード店にはカラフルなジャケットが並び、テレビの歌番組は週ごとに最新ヒットを披露する華やかなステージで盛り上がっていた。

放課後の教室では誰かが鼻歌で口ずさみ、友達同士で振り付けを真似して盛り上がる。そんな日常の風景の真ん中にあったのが、ひとつのしぐさを国民的ポーズに変えてしまった1曲だった。

松田聖子『天使のウィンク』(作詞・作曲:尾崎亜美)——1985年1月30日発売

尾崎亜美が描いた“天真爛漫なきらめき”

『天使のウィンク』は、松田聖子にとって20枚目のシングル。作詞・作曲を手がけたのはシンガーソングライターの尾崎亜美で、彼女のメロディセンスと独特の言葉選びは、聖子の持つ健康的な輝きと驚くほど自然に溶け合った。

冒頭はバラード風の静けさで始まり、一瞬“大人びた余韻”を漂わせる。しかしその余韻を破るように、すぐに明るく弾むリズムが駆け出し、聴く者の心を軽やかに照らしていく。落ち着きと高揚感のコントラストが、曲全体をいっそう印象的にしている。

尾崎が紡ぐ歌詞は、恋のときめきを軽やかに表現しながらも、シンプルで親しみやすい。特にサビに登場する「天使がウィンク」というフレーズは、楽曲の象徴として誰もが覚えることになった。言葉の響きそのものがキャッチーであるだけでなく、すぐに動作へと結びつく“仕掛け”を備えていたことが、この曲の強さを生んでいる。

ウィンクの仕草が国民的ポーズに

『天使のウィンク』を語るとき、忘れてはならないのがサビで披露される振り付けだ。手を瞼に見立て、2回パッと開閉させるあの仕草は、テレビの画面を通じて一瞬で全国に広がった。難しいテクニックはいらず、誰でもすぐに真似できるわかりやすさがあったからだ。

“一緒にやりたくなる動作”を音楽に組み込んだ代表例として、この振り付けは世代を超えて語り継がれることになる。音楽と動作が一体となり、誰もが参加者になれる。その体験が、80年代のアイドルソングの大きな魅力のひとつでもあった。

松田聖子の輝きと転機

『天使のウィンク』が発売された1985年は、松田聖子のキャリアにとって大きな節目の年だった。シングルのリリース直後には俳優・神田正輝との交際を公表し、さらにその数か月後には結婚を発表。トップアイドルの率直な告白と突然の決断に世間は驚き、ワイドショーや新聞は連日そのニュースを大きく取り上げた。

もっとも、その後も作品のリリースは続いたため“最後の曲”ではないが、当時のファンにとっては「区切り」を感じさせる出来事であり、この曲はその象徴として特別な意味を持つようになった。単なるヒット曲以上に、“聖子の新しい人生が始まる直前に歌われた1曲”として記憶されているのだ。

同年末の『第36回NHK紅白歌合戦』で披露した姿も、忘れがたい名場面となった。その瞬間はテレビの前の何百万人もの視聴者の心に強く焼き付けられ、「永遠のアイドル像」として今なお語り継がれている。

時代を超えて残る“魔法”

80年代のアイドルソングは数多く存在するが、『天使のウィンク』には特別な“軽やかさ”があった。複雑な解釈を必要とせず、聴けば自然と楽しくなり、口ずさみたくなる。華やかなサウンドに包まれながらも、決して押し付けがましくない爽やかさがある。だからこそ、今でもイントロが流れるだけで、当時の街の空気やテレビ画面の眩しさが一瞬で蘇るのだ。

ウィンクひとつで世界が明るく変わる。

そんなシンプルな魔法を信じられた時代のきらめきが、この曲には確かに息づいている。

松田聖子の歌声と尾崎亜美のメロディ、そしてあの振り付け。その三位一体の魅力が、40年経った今も色褪せることなく、聴く人の心を軽やかに解き放ってくれる。

現に、SNSでは「40年前の曲だけど今聴いても完成度が高い」「一発で耳を惹くイントロや間奏も素晴らしい」「めちゃ80年代っぽくて好き」などの声が飛び交っている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。