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25年前、日本中が熱狂した“たった一言に呑まれる神イントロ” アイドルの枠を突き破った“革新的な名曲”

  • 2025.9.3

「25年前の夏、どんな音楽が街を流れていたか覚えてる?」

2000年。日本の空気は期待と不安が入り混じっていた。テレビからは華やかな音楽番組が流れ、ランキングにはミリオンヒットがひしめき合っていた。そんな時代に颯爽と登場したのが、デビューからまだ1年も経たない5人組・嵐の3枚目のシングルだった。

嵐『台風ジェネレーション -Typhoon Generation-』(作詞:久保田洋司・作曲:馬飼野康二)——2000年7月12日発売。

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

デビューの熱狂から“幅”を示した3枚目

デビュー曲『A・RA・SHI』で爆発的なデビューを果たし、続く『SUNRISE日本』で勢いを加速させた嵐は、フレッシュさとエネルギーに満ち溢れていた。そんな中で発表された『台風ジェネレーション -Typhoon Generation-』は、単なる勢いだけではなく、“表現の幅”を示した1枚だった。

作曲を手がけたのは、日本のポップスを長年支えてきた名匠・馬飼野康二。叙情性とスケール感を兼ね備えた彼のメロディは、アイドルソングの枠を超える普遍性を備えていた。

編曲を担当した大坪直樹は、バラードからアップテンポへと変化する展開を巧みに演出し、聴くたびに異なる景色が浮かぶ作品に仕上げている。

そして作詞を担当した久保田洋司は、青春の断片を切り取るような言葉で楽曲の世界観を支え、サウンドの変化と呼応する詩情を与えていた。

音と言葉が三位一体となることで、この曲はただのシングルを超え、2000年という時代を象徴する一篇のドラマとして刻まれたのだ。

バラードから疾走へ――音が切り替わる瞬間

1コーラス目はミディアムテンポのバラード調。切なさを滲ませた旋律に、ラップが織り込まれたAメロが展開される。するとサビを抜けた瞬間、リズムが一気に加速し、ダンサブルなアップテンポへと切り替わる。

まるで夕暮れから夜の喧騒へと一瞬でワープするような、あるいは穏やかな海が突如として荒波に変わるような感覚。「聴くたびに景色が変わる曲」と言っていいほど、ドラマティックな展開だ。

アイドルソングでありながら、バラードとラップ、さらにはアップテンポなダンスビートを融合させる構成は、2000年当時としても革新的だった。若さの勢いをそのまま閉じ込めたような大胆さが、嵐の新鮮さと重なり、強いインパクトを残した。

わずか数秒のセリフが生んだ永遠の余韻

冒頭に響く二宮和也のセリフは、わずか数秒でありながら曲全体の印象を決定づけている。当時は青春の切なさを彩る演出として受け止められていたが、いま聴き返すと単なるイントロでは終わらない。ファンにとっては、未来を約束するかのような“合図”にも聴こえるのだ。

『台風ジェネレーション -Typhoon Generation-』は、当時のランキングで爆発的なセールスを記録したわけではなかった。ミリオンセラーが当たり前のように並んでいた2000年の音楽シーンにあって、派手な数字で語られる作品ではなかったのだ。

しかし、この曲が持つ存在感は数字以上のものだった。嵐というグループが、ただ明るく勢いのある新人ではなく、音楽的にも多面的な表現ができる存在だと印象づけた1枚。それこそが『台風ジェネレーション -Typhoon Generation-』の価値だった。

25年後も胸を震わす“再会の合図”

25年の時を経たいま、この曲を聴くと、まだ少しあどけなさを残した5人が音楽番組で披露していた姿がよみがえる。あの夏の街の匂い、雑踏の熱気、そして未来へ向かって走り出す若者たちの眩しさが蘇るのだ。

そして、時代を越えて耳に残るのはやはりあの一言。

「さよならじゃないよね。また会えるから」

2000年の夏に刻まれたその約束は、四半世紀を経た今、再び胸に迫ってくる。どんな時代でも彼らはきっと戻ってくる、そう信じさせてくれる“再会の合図”として。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。


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