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歯科医師「逆効果になっている」→実は『歯の黄ばみ』が悪化する…やりがちな“NGセルフケア”とは?【医師の監修】

  • 2025.8.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

白くてキレイな歯は誰もが憧れますよね。しかし、せっかくケアしているはずなのに、歯の黄ばみがなかなか改善しない…そんな方はいませんか?実は、歯磨きやホワイトニングの方法によっては、かえって歯の黄ばみを悪化させてしまうこともあるんです。歯科医師が注意喚起する“やりがちなNGセルフケア”には一体どんなものがあるのでしょうか?今回は、その意外な落とし穴と正しいケア方法について、わかりやすく解説します。

毎日の生活に潜む歯の黄ばみの原因を知ろう

歯の黄ばみは、誰にでも起こり得る自然な現象ですが、その背景には複数の原因が隠れています。まず考えられるのは食生活の影響。コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなど、色素の強い飲食物は歯の表面に色素が沈着しやすくなります。これが徐々に歯の色を変えてしまうのです。

また、喫煙によるタールやニコチンの影響も強力な黄ばみの原因。これらの成分は歯のエナメル質にしっかりと付着し、放置すると落としにくくなります。

さらに、歯の表面のエナメル質は透明感があり、その下の黄色味のある象牙質が透けて見えている状態です。エナメル質が摩耗したり薄くなると、中の象牙質の色が目立って黄ばんで見えるようになってしまいます。つまり、歯の黄ばみは単なる汚れだけでなく、歯の構造や口の中の環境によるものも大きいのです。

なぜ逆効果に?歯の黄ばみを悪化させるセルフケアの落とし穴

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

歯の黄ばみが気になると、「もっとたくさん磨かなきゃ」とつい強くゴシゴシ磨いてしまう方が多いのですが、実はこれがトラブルの原因になっていることが。歯の表面はエナメル質で覆われていますが、このエナメル質は酸や研磨剤に弱く、強力すぎるブラッシング圧や刺激の強い歯磨き粉を使うと傷ついてしまいます。傷ついたエナメル質は透明度を失って黄色く見えることがあり、結果的に黄ばみが悪化してしまうという悪循環に。

さらに、市販のホワイトニング商品には刺激が強いものもあり、説明書通りに使わなかった結果、歯の表面にダメージを与えてしまうケースも少なくありません。歯の黄ばみは外見の問題だけでなく、歯の健康にも関わること。だからこそ、むやみに自己流ケアを続けるのは危険なのです。

歯の黄ばみを改善するためには、まずは歯医者さんに相談をするのが安心です。プロによるクリーニングや適切なホワイトニング治療であれば、歯へのダメージを抑えつつきれいに白くできます。

セルフケアで気をつけたいのは、やさしいブラッシングを心がける・研磨剤の強い歯磨き粉の多用は避ける・自己流ケアは控える・フッ素配合の歯磨き粉を使う、といったポイントです。特に歯ブラシは、硬すぎる毛よりも「ふつう」か「やわらかめ」のものを選び、力を入れすぎずに丁寧に磨くことが大切です。

加えて日々の習慣として、コーヒーや赤ワイン、タバコなどの着色原因を控えることも有効です。食生活を見直し、口の中の環境を整えることが歯の黄ばみ予防につながります。

毎日のセルフケアで白い歯へ

歯の黄ばみをなんとかしたい!という想いから始めたセルフケアが、実は逆効果になってしまうケースは決して珍しくありません。強いブラッシングや刺激の強いホワイトニングは黄ばみを悪化させる可能性が高いことを知っておきましょう。

まずは、歯科医師の診断を受けて自分の歯の状態を正しく把握し、適切な方法でケアを行うことが大切です。普段の歯磨きでは優しく丁寧に磨き、研磨剤の強い歯磨き粉は控え、健康的な食生活に気をつけることで、歯の黄ばみを予防しやすくなります。正しい情報をもとにケアをしていきましょう。


監修者:まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢(まつむら・けん)

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「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒業(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(⻭学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院