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実は『夏バテ』じゃないかもしれない…『夏の体調不良』で見落としがちな“3つの異変”とは?【医師が警告】

  • 2025.8.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

夏の暑さで体がだるくなったり、食欲が落ちたりすると「夏バテかな」と思いがちですよね。でも、その症状を軽く見て放置すると、実は重大な病気が隠れていることがあります。医師が警告する、夏に見落としがちな“3つの異変”とは何か?今回の記事では、夏の体調不良の中に潜む危険なサインを分かりやすく解説します。自分の体と向き合い、正しい対処を知るためにぜひ役立ててください。

見逃せない!夏バテじゃないかもしれない3つの異変

暑さで体が重くなる夏は、多くの人が夏バテを疑います。けれど、次のような「いつもと違う不調」が現れたら、ただの夏バテではない可能性があります。

  1. 強い倦怠感や疲労感が続く
    普通の夏バテは数日で回復することが多いのですが、数週間も疲れが抜けないときは注意が必要。特に「寝ても疲れが取れない」「微熱が続く」という症状は、熱中症や脱水症状以外にも感染症や内臓の病気などが隠れている場合があります。
  2. 急激な体重減少や食欲不振
    夏で食欲が落ちるのはよくあることですが、わずかな期間で数キロの体重減少があるなら警戒が必要です。消化器系の病気や、甲状腺の異常、慢性的な炎症などが原因の場合もあります。
  3. 頭痛・めまい・吐き気が頻発する
    熱中症のサインとも似ていますが、脳や神経のトラブル、または腎臓や心臓の疾患が隠れていることがあります。特にめまいや吐き気がひどく、歩行困難や意識障害が出る場合はすぐに医療機関を受診すべきです。

これらの異変は、単なる夏バテの延長線上にあるとは限りません。体のSOSがサインとして現れているケースもあるため、安易に見過ごすのは危険です。

この夏に気をつけたい!背景にある意外な病気と正しい対処法

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

夏の体調不良が「ただの夏バテ」として片付けられがちな理由は、やはり暑さとの因果関係が強くイメージされるからです。しかし、実際には以下のような病気が関わっている場合もあります。

  • 熱中症:体が過度に熱を持ち、脱水や電解質異常を起こす症状。軽度の場合でも放置すると重篤化のリスクが高まります。
  • ウイルス性の感染症:ウイルスや細菌の影響で発熱や倦怠感が長引くこと可能性あり。特に夏に増える食中毒や胃腸炎は疲労感を強くします。
  • 慢性疾患の悪化:糖尿病や心臓病、腎臓病などは暑さや脱水によって症状が悪化しやすいです。普段から健康管理をしている人でも注意が必要です。

具体的には、こまめな水分補給に加えて、体調の変化に敏感になることが大切。また、微熱や長引く頭痛、激しいめまいがある時は、自己判断せずに医療機関を受診してください。早期発見・治療が体の負担を減らすポイントです。

さらに、睡眠不足や栄養不足も夏の体調不良を悪化させる原因になります。バランスの良い食事を心がけつつ、睡眠環境を整えることも体調管理には欠かせません。

夏の不調を侮るなかれ!しっかり見極めて安全な夏を過ごそう

夏の体調不良を単なる「夏バテ」と思い込み、症状を放置すると、重い病気の見逃しにつながる危険があります。今回紹介した「強い倦怠感」「急激な体重減少」「頻発する頭痛・めまい・吐き気」のサインは、特に注意深く自分の体と向き合う必要があります。

健康な夏を乗り切るためには、体の微妙な変化に敏感になり、必要に応じて専門医に相談することが大切です。水分補給や栄養バランスの良い食事、十分な睡眠といった基本的な生活習慣の見直しも忘れずに。自分の命や生活を守るため、夏の体調不良には決して安易に片付けず正しく対処していきましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。