1. トップ
  2. 歯科医師「無駄な出費」→実は効果が期待できない…プロは買わない“市販ホワイトニング商品”とは?

歯科医師「無駄な出費」→実は効果が期待できない…プロは買わない“市販ホワイトニング商品”とは?

  • 2025.8.18
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

白く輝く歯は多くの人の憧れ。でも、「自宅で簡単にホワイトニングできる」とうたわれる市販の商品、実際に効果はあるのでしょうか?ドラッグストアやネットには多種多様なホワイトニング商品が溢れていますが、中には「歯科医師からは効果が期待できない」と言われる“NGな商品”も存在します。無駄な出費を避けるために、どんなものが本当に役立つのか、ぜひ知っておきたいですよね。

効果が限定的な理由とよくある誤解

市販のホワイトニング商品には、歯磨き粉やジェル、マウスウォッシュ、シートタイプのものなどいろいろなタイプがあります。多くの人がその手軽さや価格の安さに惹かれて選びがちですが、歯科医師の専門的な見解では「期待しているような白さには届かないことが多い」と指摘されることもあります。

その理由の1つは、これらの商品が主に歯の表面の着色汚れを一時的に落とすことでホワイトニング効果をうたっている点にあります。紅茶、コーヒー、タバコなどの着色汚れは取れても、歯そのものの色を明るく変える「漂白効果」は望めない場合がほとんどです。つまり、表面のコーティングをクリアにするだけで「本質的な白さ」には届かないのです。

さらに、市販品は医薬品ではないため、漂白成分の配合濃度が低く抑えられています。安全性を優先しての規制ですが、その分、効果が弱くなってしまうのが現実です。

「毎日使っても期待したほど白くならなかった」という声が多く、市販のホワイトニング商品は「本格的な歯の白さ」には向きません。

効果を半減する使い方と、気をつけたい商品とは?

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、具体的にどんな商品が「効果は期待できない」と言われやすいのでしょうか。まず代表的なのが、研磨剤を大量に含んだホワイトニング歯磨き粉です。これらは歯の表面を物理的に擦り、着色を落とそうとしますが、使い過ぎると歯の表面を傷つけてしまうリスクも。歯の表面が傷つくことで逆に着色しやすくなる恐れもあるので、使い過ぎには注意が必要です。

次に、ホワイトニング用マウスピースなども注意が必要です。販売元のサイトや広告では「劇的に白くなる」と謳われることがありますが、歯科医院で行うホワイトニングと比べるとその差は歴然です。こちらも成分の制限によるものに加え、白くなるにはきちんと歯の表面の汚れが落ちていないと効果がでません。

そのため、市販の商品を選ぶ場合は「信頼できるメーカーの商品で、成分や使用方法を守ったものを選ぶ」ことを推奨しています。また、軽度の着色汚れを落とす補助的な役割としては効果的でも、歯の白さを根本的に変えたい場合はプロの施術を受けるのが確実です。市販のホワイトニング商品には限度があるため、まずは歯科医師に相談するのがベストです。

まとめ:本当に効果的なのは“正しい情報”と“専門家のアドバイス”

市販のホワイトニング商品には手軽で安価というメリットがありますが、歯科医師が「効果は期待できない」と指摘する製品も少なくありません。多くの市販品は表面の着色を落とす程度であり、根本的な漂白効果は低いのが実情です。

効果を感じにくい商品に無駄なお金をかけるより、まずは歯科医師の診断や相談を受けて本当に自分に合ったホワイトニング法を選ぶことが重要です。そして普段から正しい歯磨きと定期的なクリーニングで歯の健康を守りながら、ホワイトニングも安全かつ効果的に行いましょう。


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

undefined

昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。