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なぜ、寝起きの口は『ドブみたいな臭い』がするの…?→歯科医師が明かす、驚くべき“口臭の原因”とは?

  • 2025.8.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

朝、鏡の前でふと自分の口元に気づいたことはありませんか?「なんだか昨日の夜はちゃんと歯磨きしたはずなのに、口の中がドブのような異臭がする…」そんな経験、案外多いものです。ただの寝起きの一瞬の現象だからと放っておくのはもったいないかも。

実は、この「ドブみたいなニオイ」の背景には、私たちの口の中で起きている複雑なメカニズムと、健康面で気をつけるべきポイントが隠れているんです。今回は、歯科医師が解説する口臭の原因と、その対策法をわかりやすくご紹介します。

口臭の元はコレ!寝起きの「口臭」の原因に迫る

寝起きに口が臭くなる現象、多くの人が経験しますが、そのニオイの正体は主に「揮発性硫黄化合物(VSC)」と呼ばれる物質です。これらは口の中にいる細菌が、タンパク質を分解する過程で発生します。夜寝ている間は唾液の分泌が大幅に減るため、口内が乾燥し、細菌が活動しやすい環境に。結果、細菌が増殖し、臭いの強いガスが発生しやすくなるのです。

しかも、口臭の原因は単なる「口の中の汚れ」だけではありません。歯と歯の間の食べかす、舌の表面にたまる汚れ、さらには歯周病や虫歯といった口の中のさまざまなトラブルも深く関係しています。例えば歯周病菌はVSCの産生に大きく関わるため、気づかぬうちに口臭を悪化させていることも。

朝スッキリするための予防法はこれ!歯科医師がすすめる口臭対策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、どうすれば寝起きの口臭を和らげ、朝から爽やかに過ごせるのでしょうか?ポイントは「口内環境の改善」と「日常のケア」に尽きます。まず、寝る前の歯磨きとフロスを徹底し、歯と歯の間や舌の汚れをしっかり落としましょう。特に舌の表面は、細菌が溜まりやすいので舌専用ブラシを使うのがおすすめです。

また、寝ている間の口内乾燥を防ぐために、加湿器の使用や適度な水分補給も効果的。もし口呼吸が習慣になっている人は、鼻呼吸できる環境づくりを心がけることも大切です。さらに、定期的な歯科検診を受けて歯周病や虫歯などの病気を早期発見・治療し、口臭の根本原因を断つことも忘れてはいけません。

これらのケアに加え、朝起きたらうがいやマウスウォッシュで口内の清潔を保つことで、寝起きのイヤなニオイを大きく軽減することができます。

正しい知識とケアで気分スッキリ朝を迎えよう

寝起きの口の臭いは、多くの場合、夜間の唾液減少による口腔内細菌の活動と、それに伴う揮発性硫黄化合物の発生が原因です。しかし、日々の正しいブラッシングやフロス、舌の掃除を怠らず、口内環境を整えることで、その不快なニオイは大幅に減らすことができるでしょう。

加えて、口呼吸や乾燥を防ぎ、定期的な歯科検診でトラブルを未然に防ぐことも重要ですので、今回ご紹介したポイントをぜひ実践してみてくださいね。


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。