なぜ、『ホワイトニング歯磨き粉』で白くならない？→歯科医師が明かす「黄ばみの本当の原因」と効果的なセルフケアとは

「ホワイトニング歯磨き粉で歯が白くなるって聞いたのに、全然変わらない…」そんな経験はありませんか？市販されているホワイトニング歯磨き粉は手軽に使えるイメージですが、実はその効果には限界があります。なぜ歯磨き粉だけで理想の白さを手に入れられないのか、歯の黄ばみの原因やホワイトニングの正しいセルフケア方法について詳しく紹介します。

なぜホワイトニング歯磨き粉だけで白くならないのか？歯の黄ばみの本当の原因とは？

一般的に「ホワイトニング」とうたわれる歯磨き粉は、歯の表面に付着した汚れを落とすことを目的としているものが多いです。着色汚れやステインを除去することで、ある程度の白さアップは期待できますが、実は歯の本当の黄ばみはそれだけではないのです。

歯の黄ばみは大きく分けて「表面の汚れによるもの」と「歯の内側に染み込んだ色素や加齢によるもの」の2つに分類されます。ホワイトニング歯磨き粉は主に表面の汚れを落とすためのもの。歯の表面を覆っているエナメル質や、内側にある象牙質が黄ばんだ場合は、歯磨き粉程度では白くできません。

また、ホワイトニング効果をうたう歯磨き粉の中には研磨剤が多く含まれているものもありますが、強い研磨剤は歯の表面を傷つけてしまい、かえって黄色く見えやすくなるリスクもあります。さらに、歯のトラブルや個人の歯質、生活習慣によっても黄ばみの原因は様々なので、一概に歯磨き粉だけで白さが改善するわけではないのです。

歯の黄ばみ対策に効く効果的なセルフケア方法とは？

自宅でできる歯の黄ばみ対策には、ホワイトニング歯磨き粉に頼るだけでなく、いくつかのポイントがあります。まずは基本のブラッシングを見直しましょう。丁寧に歯の隅々まで磨くことが、歯の着色汚れを防ぎます。

加えて、食生活の改善も重要です。コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなど色素が強い食品は控えめにし、摂取後に口をゆすぐことも望ましいです。また、喫煙は歯の黄ばみの大きな原因の1つなので、喫煙習慣を見直すことも効果的です。

セルフケアでさらに一歩進んだ白さを目指すなら、市販のホワイトニングジェルやマウスピース型のセルフホワイトニングキットを試すのも効果的といえます。ただし効果には個人差があり、過度な使用は歯や歯茎を傷めるリスクがあるため、用法・容量を守りましょう。

そして何より確実なのは、専門の歯科医院でのホワイトニングです。プロの薬剤や機器を使った施術は、歯の黄ばみの原因を考え、それぞれの歯の状態に合ったケアをおこなうことができます。

白い歯をあきらめないために知っておきたいこと

ホワイトニング歯磨き粉は、輝く白さを手に入れるための魔法のアイテムではありません。歯の黄ばみにはさまざまな原因があり、それぞれに合ったケアが必要です。毎日の丁寧なブラッシングや生活習慣の見直しを基本に、必要に応じて歯科クリニックでのプロフェッショナルケアを取り入れてみましょう。

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越智 英行（おち・ひでゆき）
医師（歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医）

昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院（歯科口腔外科）入局後、昭和大学大学院歯学研究科（臨床系歯科麻酔科学）修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽（https://www.compass-dc.jp/akabane/）の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。