映画『鬼滅の刃』の何気ないシーンに潜んでいた異変「気付かなかった」「見えますね」実は見逃されがちな“謎の模様”

現在公開中の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』にて、竈門炭治郎（かまどたんじろう）と死闘を繰り広げる猗窩座（あかざ）。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』でも、猗窩座は炎柱・煉獄杏寿郎（れんごくきょうじゅろう）と激しくぶつかり合う。そんな『無限列車編』で炭治郎が絶叫したあるセリフが、じつは猗窩座の過去にまつわる“地雷”を踏み抜いていた。

※以下本文にはネタバレの内容が含まれます。

「卑怯者」呼ばわりが許せなかった猗窩座、その怒りの理由とは

『無限列車編』にて、“下弦の壱”である魘夢（えんむ）との戦いを終え、炭治郎や煉獄たちはすでにボロボロだ。しかし、最悪のタイミングで“上弦の参”である猗窩座が襲来。容赦なく襲いかかる猗窩座から炭治郎たちを守るため、煉獄は血まみれになりながら必死の攻防を見せる。

「お前も鬼にならないか？」という猗窩座の誘いを断り、煉獄は力の限り戦う。だが、猗窩座の拳が煉獄の体を貫通し、致命傷を負ってしまった。それでも猗窩座の首を斬ろうとする煉獄に、炭治郎たちも加勢。すると、夜明けが近づき、太陽が昇り始めた。日の光が天敵である猗窩座は戦いをやめ、逃げに転ずる。そこに炭治郎が「逃げるな卑怯者！！」「逃げるなァ！！！」と絶叫したのだ。

炭治郎が言い放ったセリフに、顔にビキビキと血管が浮き出るほど怒りがこみあげる猗窩座。彼が怒りを隠しきれなかった理由は、『無限城編 第一章』にて描かれた彼の過去編にある。『無限城編 第一章』では、猗窩座が人間だった頃、つまり狛治（はくじ）の頃に、井戸に毒を盛られて大切な師匠である慶蔵（けいぞう）と、恋心を抱いていた恋雪（こゆき）を亡くした過去が明かされた。

井戸に毒を盛ったのは、狛治たちが住む素流道場に恨みを持った隣の道場の跡取り息子だと、原作漫画の“設定こぼれ話”にて語られている。跡取り息子は、狛治に正々堂々と勝負しても勝てないと考え、卑怯な手段に出たのだ。毒殺事件がきっかけで鬼となった猗窩座は、誰よりも卑怯者を憎み、嫌っていると想像できる。

そんな過去を持った猗窩座に対する「逃げるな卑怯者！！」という炭治郎のセリフは、まさに猗窩座の“地雷”を踏み抜いたと言っても過言ではない。炭治郎が煉獄の仇である猗窩座に激怒するように、猗窩座も炭治郎のことを絶対に許せないとキレていたのだ。『無限列車編』の炭治郎のセリフと、『無限城編 第一章』の猗窩座の過去をふまえると、2人の因縁は相当深いものだといえる。

血か痣か――『無限列車編』で議論を呼んだ謎の模様

『無限列車編』にて描かれた煉獄と猗窩座の戦闘シーンにおいて、気になる描写がある。煉獄の顔に、痣のような模様が広がっているのだ。一定の条件を満たすと発現し、剣士の身体能力を格段にパワーアップさせる痣。じつは煉獄も、『無限列車編』のときに痣を発現させていたのではないかという考察が交わされている。

煉獄の痣のように見える模様についてSNSでは「煉獄さんの右頬は確かにあざが出てるように見えますね」「煉獄さんの右頬には確かに痣が！！」「あんなに何度も映画館で見たのに気付かなかった」「いつも号泣しながら観てたから気付かなかった」との声が。

ただ、煉獄の痣のように見える模様は、血の痕にも見える。煉獄が他の部分からも血を流している様子から、痣ではなく血の可能性も捨てきれず、結局真相は明らかになっていない。これと似た描写として、『無限城編 第一章』にて蟲柱・胡蝶しのぶが使ったものの、込められた意味がはっきりと明らかになっていないハンドサインが挙げられる。想像の余地を残すことで、さまざまな考察を巻き起こしている点も、『鬼滅の刃』の面白さだといえるだろう。

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ABEMAにて「鬼滅の刃」柱稽古編、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編など多数配信中。
［番組URL］https://abema.tv/video/title/26-75?s=26-75_s5&eg=26-75_eg0
【(C)吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable】

ライター：まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X（旧Twitter）：@kaku_magari

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