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「点滴の9割は、身近な成分だった…」→医師が明かす、点滴の“本当の中身”と驚きの効果とは?

  • 2025.8.15
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

病院でよく目にする「点滴」。ケガや体調不良のときに当たり前のように使われているけど、実はその仕組みや効果について詳しく知っている人は意外と少ないのでは?私たちの体に直接栄養や薬を届ける点滴は、ただの水分補給以上の役割を果たしています。
今回は、身体に関するさまざまな悩みを医師の目線で解説する、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニックの動画をご紹介。動画では、院長の柏木先生が教える『点滴が必要な症状』について紹介します。

点滴の効果と必要な場面

点滴は、薬や栄養、水分などを直接血管内に投与する方法です。胃や腸を通さず体内に吸収させるため、体調が悪くても効率よく必要な成分を届けることができます。

例えば、口からの摂取が難しい場合や、下痢や嘔吐で水分が失われているときに非常に効果的です。医療現場では、以下のようなケースで活用されています。

  • 脱水症状の改善
  • 栄養補給
  • 薬(抗炎症薬など)の投与

どんな時に点滴が必要になるの?

大きく分けて、以下の3つのケースがあります。

  1. 脱水状態のとき
    下痢や嘔吐、高熱などで水分が失われたときに使用されます。
  2. 食事がとれないとき
    手術後や病気による食欲不振時には、栄養を点滴で補います。
  3. 薬を効果的に届けたいとき
    消化器系の炎症を抑える薬などを、確実に体に届けるために点滴が選ばれることもあります。

点滴を受けるとき、気をつけるべきことは?

点滴を受ける際に患者さんが気をつけたいポイントは、意外にも「リラックスすること」です。

緊張していると血管が収縮して見えにくくなり、針を刺すときに痛みを感じやすくなることもあります。少しでもリラックスできるように、深呼吸をするなどして落ち着く時間を持つと良いでしょう。

また、「体調が悪い」「不安がある」などは我慢せず医師に伝えることも大切です。点滴の種類や方法を調整するヒントになるため、遠慮せず相談してください。

点滴の“本当の中身”とは

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出典:池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック

「点滴には栄養や薬がたっぷり入っている」「疲れたときのご褒美みたいなもの」そんなふうに思っている人は、意外と多いのではないでしょうか。

柏木先生によると、実は点滴の多くは「ほとんどが水と電解質(塩分など)」でできているそうです。たとえば「生理食塩水」は、体液に近い塩分濃度(約0.9%)に調整されていて、言ってしまえば『味気ない水』に近い存在。

それでも、血管に直接入れることで体内への吸収がとても早く、特に脱水症状のときには、口から水を飲むよりも効果的に水分バランスを整えてくれます

もちろん、どんな時でも点滴を打てば元気になる、というわけではありません。点滴は、必要なときにこそ威力を発揮する医療の手段。疲れたからといって安易に点滴に頼るのはおすすめできません。

本当に点滴が必要になるのは、たとえば以下のようなケースです。

  • 急性胃腸炎:ウイルスや細菌で下痢や嘔吐が続くと、体内の水分と電解質が一気に失われます。特に子どもや高齢者では、命に関わることも。
  • 慢性的な下痢症状:潰瘍性大腸炎などの病気で水分が吸収されにくい状態が続くと脱水を起こしやすくなります。
  • がん治療中の吐き気や食欲不振:飲食が難しい場合、水分補給のために点滴が必要になることも。
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などによる出血:出血によって体液が失われ、脱水につながることがあります。
  • 消化器の手術前後:口から水分や栄養がとれない状態で、点滴が重要なサポートになります。

点滴は「最終手段」ではなく「必要な時の選択肢」

点滴は「特別なもの」ではありませんが、正しく使えば命を守る強力な手段になります。

「何となく疲れたから…」といった理由ではなく、「必要なときに、必要な方法で」点滴を活用することが、健康管理の大事なポイントです。

動画:『池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック
協力:『医師が教える点滴が必要な症状とは?


池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院 院長:柏木 宏幸

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埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器内科にて助教として勤務。複数の医療機関で臨床経験を重ね、2023年に現クリニックを開院。胃がん・大腸がんの早期発見と内視鏡検査の普及を目指し、企業や地域住民を対象とした健康診断や生活習慣病の治療をはじめ、一般内科および消化器疾患の診療に幅広く取り組んでいる。また、クリニックのYouTube(https://www.youtube.com/@HKa-wb4jw)を通じて医療知識や内視鏡検査の重要性を発信し、医療情報の普及活動にも尽力中。

池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック東京豊島院:https://www.ikebukuro-cl.com

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。