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現役看護師が伝授!いざという時に後悔しない「入院セットバッグ」の中身リストを公開

  • 2025.7.12
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

突然の入院。誰にでも起こりうることですが、いざというときに何を持参すればいいのか、迷ってしまいますよね。

SNS上で「急な入院になったときのために、『入院セットバッグ』を事前に準備しておくと便利」といった趣旨の投稿がされ、「自分も作っている」「緊急入院した際、夫に『○○に入っている××を持ってきて』と細かく伝えても『わからなかった』と持ってこなかった」と話題になりました。

はたして、入院セットバッグには、どんなものが必要なのでしょうか?気になる疑問について、現役の看護師さんに詳しくお話を伺いました。

入院セットバッグの必要性と持ち物リスト、現役看護師が詳しく解説

今回は、現役看護師のsaoriさんに詳しくお話を伺いました。

---「入院セットバッグ」を作る必要性について、簡単にコメントをお願いします。

人によって必要だと感じるモノは違います。Aさんは不必要だと思っていても、Bさんからすると必要なものかもしれない。そういった、人による認識の違いを埋めるためにも、「自分用の入院セットバッグ」を作っておくことは大切です。

また、入院という環境の変化は、自分でも思っている以上に心身ともにストレスがかかります。そうした際に「あれがないこれがない」とイライラするのはかなりつらいでしょう。そのためにも、自分だけの入院セットバッグは必要ですね。

---では、入院時の持ち物について、具体的に「必要なもの」を教えてください。

基本的な持ち物としては、以下のようなものが挙げられます。

【衣類・下着類】

  • パジャマ
  • 洗顔タオル
  • バスタオル
    ※病院によって異なるが、どれもレンタル可能(有料)な病院が多い
    ※特にタオルはかさばるので、レンタルできる病院であればレンタルがおすすめ
  • ブラトップ(ワイヤーの入っていないものだと、外さずに検査ができることもあるので便利)
  • 締め付けのないショーツ
  • 靴下
  • カーディガンなどの上着(病室が寒いこともある。病棟外に出かける場合に必要になる)
  • 靴(かかとを覆うことができるもの、着脱が容易なもの、滑りにくいもの)

【薬・医療関連】

  • 服用中、使用中の薬
  • お薬手帳

【日用品】

  • 洗面用具(歯ブラシ、石鹸、シャンプー類)
  • コップ(落としても破損のおそれのないもの)
  • スプーン、フォーク(必要ない病院もある)
  • 生理用品
  • ティッシュペーパー、ウェットティッシュ
  • 化粧水、乳液、薬用リップ(全身麻酔を行う場合、体が乾燥する)

【その他】

  • 筆記用具
  • ハンコ(シヤチハタ以外が望ましい)
  • 小銭(自動販売機や洗濯乾燥機等で使う機会が多い。小銭入れに入れておく)
  • トートバッグ、手提げのバッグ
  • スマホ等の充電ケーブル、充電器

【あったら便利なもの】

  • ブラシ、くし
  • テレビを見たい人は有線イヤホン(病院によって規格が異なる場合も)
  • 延長コード
  • 耳栓、アイマスク
  • S字フック
  • 音のしない小さな置き時計
  • ストロー(ストロー付きのコップ)
  • のど飴やタブレット(全身麻酔を行う場合、喉が渇きやすい)

【体調次第で…暇つぶしになるもの】

  • 本(小説、漫画など)
  • パソコン、タブレット類
    ※入院中はやることがないので、時間つぶしできるものがあると良い。手術後はスマホの画面が見づらく、目が疲れると感じる方も多い

特に気をつけておくべきこと

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出典:Photo AC ※画像はイメージです

---持ち物について、何か伝えておくべきことがあれば教えてください。

貴重品や金銭はあまり高額なものを持っていかないことです。残念ながら、病院内であっても盗難の可能性はあります。また、ロッカーはありますが、あまり大きくはないので、かさばる荷物は持っていかずにレンタルするのがおすすめです。

---急な入院になって、持ち物についてこういうことで困っている患者さんがいた、というエピソードがあれば教えてください。

どこに何があるかを説明するのが難しそうな患者さんが多いです。

特に、患者さんが女性(妻)で、頼まれた側が男性(夫)の場合。見ている範囲では、家の中のどこに何があるかは女性のほうが把握していることが多いです。男性も、常日頃から意識して把握しておいたほうが良いと感じています。

我が家では何かあっても困らないように、夫にも事あるごとに「ここに○○置いてるから」とさりげなく伝えてます(笑)。

---看護師さんとしての経験に基づく貴重なお話をありがとうございます!

入院セットバッグは「お守り」のような存在

人によって必要なものは違うからこそ、自分にとって本当に必要なものを厳選して準備しておくことが重要です。上記を参考に、自分にとって必要なものを取捨選択していくことをおすすめします。

もし家族と暮らしている、近くに住んでいる場合であっても、家族に荷物を頼む際のトラブルを避けるためにも、普段から「どこに何があるか」を共有しておくことも大切なポイント。入院は突然やってくるものですが、事前の準備があることで心理的な負担を軽減できるのではないでしょうか。

入院セットバッグは、使わないに越したことはありませんが、いざというときの「お守り」のような存在として、ぜひ準備しておきたいものです。



<取材協力>
saori
2011年に看護師を取得し、急性期病院と施設内訪問看護を経験。現在は子どもに関わる仕事に従事中。看護師×webライターとして活動中。「言葉」で人を救いたい!と、心に響くような発信を意識しています。3人の子どもを育てながら働くパワフルママ。