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「もう手術は受けない!医者が詫びに来い!」手術開始時間が遅れて患者さんが大激怒!現役看護師が奔走した遅延騒動とは

  • 2025.7.12
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

こんにちは、現役看護師のsaoriです。

急性期病院では立て続けに予定手術を入れることが多々あります。予定といっても、イレギュラーなことが起きて、手術開始時間が遅れてしまう日もあるもの。

今回は、予定通りに呼ばれない手術に対して、大激怒した患者さんの話を紹介したいと思います。

朝から1時間半刻みで3件の予定手術が入っていた

これは、看護師2年目で、急性期病院の外科病棟で働いていた時の話です。

その日は手術日で、1件目が朝9時、2件目が朝11時、3件目が昼13時と手術の予定が入っていました。

1件目の手術の患者Aさんは予定通り手術へ出棟。11時前に2件目の手術予定であるBさんと、「もう少しで呼ばれるかな」なんて世間話をしていました。

ですが、11時になってもBさんが呼ばれることはなく、30分、1時間…と時間が過ぎていきました。結局、Bさんが手術に呼ばれたのはなんと3件目の手術予定時間である13時!

「前の人、すごい手術に時間かかったんだね」と、Bさんは怒ることなく手術へと出棟されました。

3件目のCさんには「前の人の手術が押していて、呼ばれるのにまだ時間がかかりそうです」と説明しました。

最初は「いいよいいよ、仕方ないしな」と了承してくれていたものの、14時…15時…と時間が経つにつれ手術のため朝から飲まず食わずでどんどんと怒りが溜まってきた様子。

手術室へ確認すると、どうやらBさんも手術に時間を要しているようでした。

「もう手術しない!」と言い出して…

すると、Cさんは、

「こんなに遅れてるのに何も悪くない看護師さんばっかりに謝らせて、医者は来ないってどういうことや!普通は医者が『遅れてすいません』ぐらい言いに来るやろ!」

と、声を荒げ出したのです。

しまいには「こんなに時間がかかるなら、俺はもう手術を受けない!」とまでに発展。

看護師長が事の大きさに気づき、話を聞いて手術を受けるよう説得するも「看護師には怒ってないねん。とりあえず医者を出して詫びさせろ」との一点張り。

どうにもこうにも収拾がつかないため、Cさんの現状を看護師長が外科部長へ連絡。

手術の合間をぬって外科部長が病棟にまで来て、直々にCさんへと「手術が遅れてしまって申し訳ありません」と謝罪しました。

直接謝罪をしてもらったことでCさんの怒りは収まり、無事に手術へと出棟されました。

ちなみに、手術に呼ばれたのは17時!予定より4時間も遅れての手術出しでした。「これだけ遅れたら、怒るのも無理ないよね」と病棟スタッフ間ではCさんに共感する声が多かったです。

何事にも「前もって声掛け」をしておくことが必要

手術の説明の時に、医者から患者さんに「手術が多少前後するかもしれない」と話は受けているものの、そこまで時間がかかるとは思っていない人が多いと思います。

このことがあってから、「こんなに待ったケースもあります」と患者さんにも説明しておくようになりました。そうすることで、少しは患者さんの心構えや受け取り方も変わってきます。

「こういうことが起きそうだな」と思った時にはしっかりと前もって伝えておく、ということの大切さを実感した体験でした。



ライター:saori

2011年に正看護師を取得し、急性期病院と施設内訪問看護を経験。現在は子どもに携わる仕事に従事中。看護師×webライターとして活動中。「言葉」で人を救いたい!と心に響くような発信を意識しています。3人の子どもを育てながら働くパワフルママ。