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元CA「あれ?この顔どこかで…」テレビに映る逃亡犯→まさかの事実にゾッ…

  • 2025.7.9
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

客室乗務員として乗務していると、実に様々な背景を持ったお客様との出会いがあります。

「テレビのニュースに映った人が、その日のフライトで担当したお客様だった!」といった信じられないようなことも起きてしまうのです。

元CAの私が経験した、今でも忘れられない驚きのエピソード、そして特別な配慮が必要なお客様が搭乗される際の裏話をご紹介します。

テレビ画面に映った「どこかで見た顔……」驚きのその正体とは?

国内線のフライトを終え、ステイ先ホテルの部屋でひと息ついていた時のことです。

何気なくテレビをつけてニュースを見ていると、画面に映し出された人物に「あれ?どこかで見た顔……」と見覚えがありました。

しかし、芸能人でもなければ、知人でもない……。それでも、間違いなく見覚えがあるのです。

そのニュースで報じられていたのは「◯◯県で身柄を拘束された逃亡犯が、◯◯市の警察署へ移送された」というもの。

その瞬間、私の口から思わず「あっ!」という声がこぼれてしまいました。

なぜなら、テレビ画面に映っている“逃亡犯”こそ、その日のフライトで私が担当したお客様だったのです。

実は、客室乗務員として乗務していると頻繁ではないものの、移送される方を機内にお迎えするケースは珍しくありません。

移送先まで距離がある場合には、移動手段として航空機が選ばれることもあるのです(もちろん、戒護員として警察官などが同乗して特別な対策がとられています)。

なるべく目立たないように……搭乗・降機タイミングの工夫

移送される方が搭乗される場合は、一般のお客様よりも先に機内に入っていただくのが一般的です。

なぜなら、移送中の方には手錠や腰縄が施されていることから(目立たないように衣類などで隠していますが)、なるべく他のお客様の目に触れないように配慮しているためです。

もし、多くのお客様がお座りになっている機内へ後から搭乗してしまうと、通路を歩かれる際に好奇の目に晒されてしまうかもしれません。

また、降機される際は、すべてのお客様がお降りになってから最後にご案内することで、多くの方の目に触れないよう工夫しています。

航空会社ではこうしたケースだけでなく、お手伝いが必要なお客様など、状況によって搭乗や降機のタイミングを調整しています。

これは、すべてのお客様に安心できる空の旅を提供するための配慮なのです。

「機内サービスは受けられるの?」「トイレには行けるの?」

移送中の方は機内でも手錠はかけられたままで、かつ両サイドには警察官がお座りになっています。

そうなると「機内サービスの飲み物も飲めないの?」「トイレには行かせてもらえるの?」と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私が何度か経験したケースでは、移送中の方がお飲み物やお食事を召し上がる際には、警察官が一時的に手錠を外されていました。

また、お手洗いの問題は生理現象でもあるため、航空会社側も移送中だからといって機内トイレの使用を禁止していません。

そのかわり、トイレは必ず警察官の付き添いのもとでの利用となり、他のお客様への心理的不安や安全への配慮は徹底されています。

すべてのお客様に同じ“おもてなしの心”を

ご旅行やお仕事で飛行機を利用される方が一般的ですが、実は今回のケースのように事情を抱えた方が搭乗されている場合もあります。

ただし、お客様にどのような背景があったとしても、一人のお客様として平等そして丁寧に対応するのが客室乗務員としての使命といえるでしょう。

航空会社は地上職員から客室乗務員まで一丸となり、すべての方に“おもてなしの心”を提供できるよう、最善を尽くしていることを知っていただけたら幸いです。

それでは、安全で楽しい空の旅を!


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。