上司「偉い人来るから涼しい格好禁止」→従った結果、“まさかの悲劇”に非難「大問題」「意味がわからない」

2025.7.22

暑さが厳しい季節になり、毎日のように熱中症の疑いで搬送された人数がニュースで流れたり、熱中症への対策グッズが販売されたりするなど、熱中症予防を呼びかける声が多く聞こえます。それでも気温の高い場所などで長時間作業しなければならない職場の人も少なくないのが実情ではないでしょうか。

SNSでは「偉い人が視察に来るから、と涼しい格好を禁止させた上司のせいで部下が倒れてしまい、上司が偉い人に怒られていた」「視察のために上着を着ることを強要された」といった“夏の職場での服装”に関する投稿が話題になっています。

これに対して、「涼しい格好がだめな理由なんて存在しない」「偉い人がちゃんとした人で良かった」などのコメントが多数寄せられている一方で、「うちの職場も変わっていない」「どうにかしてほしい」という悲痛な声も少なくないようです。

はたして、世の中の人は「酷暑なのに服装を強要する」ことに対し、どのような考えを抱いているのでしょうか？詳しくご紹介します。

厚労省により「熱中症対策」が義務化

2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、「職場の熱中症対策」が義務化されています。

具体的には、事業者は熱中症の危険性がある作業を行う場合、早期発見のための体制整備、重症化を防ぐための措置の実施手順の作成、関係者への周知を義務付けられます。

なお、対象となるのは「WBGT（暑さ指数）28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えて実施」が見込まれる作業とのこと。

違反した場合は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

偉い人がちゃんとした人で良かった

涼しい格好を禁止させた上司に対して管理責任を問う声や、偉い人が厳しく注意してくれたことに安心した人が多いようです。

偉い人がちゃんとした人で良かったね。
熱中症対策の安全管理義務違反なら大事です。
管理責任能力が無いですね…大問題すぎる。
偉い人が来ると涼しい格好がだめな理由なんて存在しないでしょ。
禁止させる意味がわからない。

偉い人が来るため最善を尽くしたいという気持ちは分かるものの、それが「涼しい格好禁止」という、少し間違った方向性であることに首をかしげる声もありました。

また、偉い人に対する要望も。

偉い人はアポ無しで来てほしい。
偉い人こそ、予告なしで来たほうが現場のリアルが見える気がする。
本当に視察したいなら予告せず、変装して清掃業者と一緒に入るべき。

偉い人がいつ来るか分かってしまうと、その日に向けて準備や対策をとってしまうため、予告なしで来て現場のリアルな状況を知ってほしいという趣旨のコメントもありました。

義務化されて変わった職職場

熱中症対策の義務化をきっかけに、職場に変化があったところも多いようです。

義務付けられたことで、エアコンの温度を下げても文句を言われにくくなった。
熱中症対策で、職場に水と塩タブレットが毎日1つずつ支給されるようになりました。
7月から職場で毎週熱中症対策アイテムが届くように。
熱中症対策で職場にウォーターサーバーが設置された。
義務化で工場でも換気扇の取り換えや冷水器の増設などがされている。

かなり本腰を入れて対策に講じている職場もあれば、声かけや小さな冷却剤が用意されただけというところまで実施内容に差はあるようです。しかし、これまで何の対策も講じてこなかった環境と比べると、良いきっかけになったという趣旨の声もありました。

義務化されても変わらない職場…

一方で、何の変化もない職場も少なくないようです。

職場環境が劣悪で私も熱中症に…上司に報告しても危機感もなく、熱中症対策が義務化されたこと知らないのかな。
義務化されても、うちの職場はエアコンの温度設定を下げると上司が嫌な顔をする。
うちの職場は義務化を完全に無視してますね…。
「熱中症対策は意味がない」という上司をどうにかしてほしい。
うちのトップはそんな義務を知らない、知ってても中身を認知していない…誰が監視してくれるんですか。

熱中症対策が義務化されたことは多くの人が知っているからこそ、何も変わらない職場や上司に対して憤りを感じている人もいるようです。

うちは偉い人がおかしいから、去年熱中症で倒れたことを飲み会で笑い話にしてくる。

熱中症は重症化すると最悪の場合は死亡してしまう可能性もある大変危険な症状であるにもかかわらず、真剣に考えないどころか笑い話にする人も。経営者陣の熱中症に対する理解度が、職場の熱中症対策に直結しているのかもしれません。

みなさんはどう考えますか？

今回は、「酷暑なのに服装を強要する上司」に対する世の中の人の考えをご紹介しました。

部下に対して熱中症対策とは真逆の指示を出す上司を偉い人が怒ってくれたことに安堵する声や、現場の実情を知ってもらうために偉い人は予告なしに視察に来てほしい、というコメントも多数寄せられていました。

一方で、熱中症対策の義務化をきっかけに職場環境が改善されたところと、まったく変化がない職場とで二極化していることも浮き彫りに。暑さが増すなかで熱中症対策を講じない上司などに苛立ちを感じている人も少なくないようです。

みなさんは、この問題についてどのように考えますか？

参考：厚生労働省富山労働局「職場における熱中症対策の強化について（令和7年6月1日施行）」（https://jsite.mhlw.go.jp/toyama-roudoukyoku/news_topics/oshirase/0706nechushokyoka.html）