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27年前、日本中の魂が震えた“全世代的ラブソング” 桜井和寿もカバーし話題となった“紡がれる紡ぐ名曲”

  • 2025.6.24

「27年前の今頃、どんな歌が心をつなげていたか覚えてる?」

1998年、日本の音楽シーンは多彩な才能が花開き、宇多田ヒカルの鮮烈なデビューやGLAY、L'Arc〜en〜Cielといったロックバンドがチャートを席巻していた。

そんな時代にあって、深い詩情と力強いメッセージ性を持つあるシンガーソングライターが放った一曲があった。それが──中島みゆきの『糸』だ。

人生という糸と糸が「布」を織りなす物語

『糸』は、元々1992年にリリースされた中島みゆきのアルバム『EAST ASIA』に収録され、その後、1998年にシングル『命の別名/糸』としても発売された楽曲。ドラマ『聖者の行進』(TBS系)の主題歌に起用されたことで、広く知られるようになった。

聴くたびに、心の奥底で大切な人との繋がりを再確認できる、そんな普遍的な力を持つ名曲。まさに日本中の魂が震えた“全世代的ラブソング”であり、派手なプロモーションに頼らずとも口コミでその魅力は広がっていった。結婚式の定番曲となっているほど今もなお愛され続け、多くの人々の人生の節目を彩り続けている。

二人の糸が交わることで織りなされる「布」のように、人と人との繋がりや運命を優しく歌い上げるこの曲。人生の中で出会う人々との縁や偶然、そして必然の巡り合わせが、時に切なく、時に温かく表現される。歌詞に込められた情景は、聴く人それぞれの人生の物語に重なり合い、孤独と共に生きることの苦悩、誰かとの繋がりがもたらす救いと希望を感じさせるのだ。

中島みゆきの澄み切った声は、静かに語りかけるようでありながら、聴く者の胸の奥底に響く力強さを持っている。ピアノやストリングスを基調としたシンプルかつ荘厳なアレンジが、その普遍的なメッセージをより際立たせていた。

文化的影響と多彩なカバーによる広がり

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(C)SANKEI

『糸』は、ドラマや映画の挿入歌、CMソングとしても頻繁に起用され、様々なシーンの感情を彩ってきた。こうしたメディアを通じた露出も、『糸』の普遍的な人気を支えている要因の一つだ。中島みゆき自身もライブでこの曲を大切に歌い続けており、そのたびに聴衆の心に深い感動を呼び起こしている。

また、中島みゆき本人だけでなく、数多くの著名なアーティストによってカバーされ、その度に新たな命を吹き込まれてきた。例えば、Mr.Childrenの桜井和寿がボーカルを務めるBank Bandによるカバーは新たな世代にも広く知られるきっかけとなり、菅田将暉と石崎ひゅーいによるデュエットも話題を呼んだ。また、スキマスイッチやクリス・ハートなど、ジャンルや世代を超えたアーティストたちがそれぞれの解釈と表現で『糸』を歌い継いでいる。

人気アーティストから一般人まで…長い時を経て紡がれる「紡ぐ名曲」

時代は変わり、人の繋がり方も多様化している。だが、それでもこの曲は、出会いや人生の節目の場面で変わらずに歌われ、聴かれ続けている。

歌詞に込められた、人と人との繋がりへの深い洞察と、それが生み出す可能性への希望。中島みゆきが紡いだこの「糸」の物語は、これからも多くの人の心に寄り添い、人と人の繋がりの美しさを伝える大切な歌であり続けるだろう。


※この記事は執筆時点の情報です。