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「米高騰でも手取りはほぼ…」20代農家の“叫び”に「日本もまだまだ捨てたもんじゃない」

  • 2025.6.8
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出典:photoAC(画像はイメージです)

食料品の価格が上がるなか、米の高騰や安価な輸入野菜の増加が注目を集めています。農家の方からもまた、変わりゆく消費の傾向にさまざまな声が上がっています。

山形県でお米やネギの生産をされている、嘉左エ門の葱(@negi_kazaemon)さんが、「米の値上がりや野菜の輸入などに対して思うこと」についてThreadsに投稿し、「素晴らしい」「いつも感謝です」と注目を集めています。

いったいどんな思いをもっているのでしょうか?

気になる投稿が、こちら!

※下記の日付のリンクからThreadsに移動します

嘉左エ門の葱(@negi_kazaemon)2025年5月18日

20代農家。
ネギは中国からの輸入が急増中。
米はスーパーでどんどん値上がりしてるのに、農家の手取りはほぼ変わらない。
それでも僕たちは土に向き合い続ける。
体がきつい日も、心が折れそうな日も、食卓の向こうに誰かがいる。
「儲からないのになんでやってるの?」ってよく聞かれる。
でもね、困ってる人がいるから。
必要としてくれる人がいるから。
僕たち農家が手を止めたら、
誰が野菜を、誰が米を育てる?
正直、めちゃくちゃしんどい仕事だけど、
それでも前を向いて、今日も畑に立ってる。
そういう農家が、ここにもいるよ。
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出典:嘉左エ門の葱(@negi_kazaemon)さん

米の高騰が続き、現在のスーパーでの平均価格は1年前のおよそ2倍といわれています。しかし、農家の方の手取りはほぼ変わらないとのこと。

農業は天候に左右されることも多く、簡単な仕事ではありません。そんななかでも、農家の方たちは手を止めずにお米や野菜などを作り続けてくださっています。

投稿者さんの「必要としてくれる人がいるから」との言葉には、ありがたさを感じる人も多いでしょう。大変な仕事をしてくれる人がいるからこそ、私たちの生活は成り立っていると感じさせられますね。

「農地を守っていく仲間入りをしたい」

農業について、投稿者さんに詳しくお話を伺いました。

---価格高騰などの影響により、日々大変な状況かとお察しいたします。農家を目指そうと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか。

きっかけは、祖母の家に隣接された蔵の中に、眠っていたいくつもの農機具を見つけたことです。その農機具に興味を示している私の姿を見た祖母は、「ネギの定植手伝ってみるか?」と言い、昔ならではの手植えを教えてくれました。

---お祖母さんから教わったのですね。

私は20代と農業業界では若いのですが、何事も現代の最新技術で効率化できるのではないかと考える癖があります。祖母から教わった昔ながらの手植えは、どんなテクノロジーを使って効率化できるかと考え、そして調べました。

---農業の担い手不足という観点からも、効率化は必要不可欠な課題かもしれませんね。

世間では農業は古臭いとの意見もあります。しかし、全国の農家さんが使用されている、マシンやRTK(高精度な位置情報測定システム)を利用したトラクターの自動操舵を拝見した際、農業には新しいことがいっぱいあると思いました。そこで、農業の会社をつくり、雇用を生みだしていけるところまで確信できました。

---今後は、雇用を生み出していくことが一層大切になっていきますね。

農業従事者の高齢化問題を肌で感じたことも、農業を始めようと思った理由の1つです。私の両親は共働きで、私は祖母に面倒を見てもらっていたために、小さいころからお年を召した近隣農家さんとお話しすることが多くありました。

その方々は、今になっても現役で農業を続けています。まだ農業を続ける理由を聞くと、皆さん口をそろえて、「農地を守っていくため」と答えます。引退したくてもできない状況にあるのだと思いました。

---後継者不足は大きな課題となっていますよね。

そこで私は、地元に農業法人を立ち上げ、農地を守っていく仲間入りをしたいと思いました。

---とても素敵な考えだと思います。昨今の価格高騰などの影響を受け、お仕事にどのような変化がありましたか?

今回のThreadsの投稿にたくさんの方からコメントをもらいました。そのなかで多くの方が仰っていたのが、「国産を選んで買うようにしている」でした。輸入が多くなっている一方、求められているのは国産野菜でした。

---安全性を重視して国産野菜を選ぶ人は多いのかもしれませんね。

私が安心安全な野菜をより多くの方に届けるためには、この先、長期的に営農を続けていくことが最重要となります。そこで、経費で負けることのないよう、とにかく数字を見る機会が多くなりました。資材費、作業委託費、燃料費、農機購入費、人件費、売上、純利益、全ての数字です。

結局、資材費などの高騰を調整できるのは人件費を削ることです。人件費を削るということは、自分の時間と労力を引き換えにするということです。価格が高騰して変化があったとすれば、やはり「数字を求めていくための事務的な考え方になった」というところでしょうか。

---厳しい現状のなかで農家の皆さんが努力されていることがよく伝わってきます。

農家の方たちへの感謝の声

こちらの投稿には、さまざまなコメントが寄せられていました。

私は食品は国産しか買いません。高いけれど、安心できるものしか口にしたくないから!だから、農業やってくださる方に感謝しつつ買い続けます!
野菜はできるだけ地元産又は国産、米は農家さんから買わせて貰ってます。いつも感謝です。農家だけで食べていけるようなちゃんとした還元が来る日本になって欲しい。
素晴らしい!飲食店やってるからなおさらそう思います
農家さんにはいつも感謝しています。高くても構いません、これからも国産を買います
日本もまだまだ捨てたもんじゃない。毎日、美味しいお野菜をありがとうございます。

コメントには、農家の方への「ありがとうございます」の感謝の言葉で溢れていました。農家の方たちの日々の努力と姿勢が、私たちの食卓を支えていることを改めて感じますね。これからもその感謝の気持ちを忘れずにいたいものです。

取材協力:嘉左エ門の葱(@negi_kazaemon)さん