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28年前、日本中が痺れた“雨上がりの決意ソング” 伝説的バンドが8ヶ月の沈黙を破り放った“永遠の名曲”

  • 2025.6.19

「28年前、“L’Arc〜en〜Ciel再始動”の象徴となった音色を覚えてる?」

1997年、L’Arc〜en〜Cielは、約8か月間の活動自粛期間を経て、シングル『虹』を世に送り出した。この楽曲は、バンドにとって新たな船出を告げる記念碑的な一枚となった。穏やかでありながらどこか神秘的な雰囲気をまとったミディアムテンポのナンバーは、まさに“再生”や“希望”といったテーマを象徴する一曲として、当時のファンの心を強く打った。

劇的な曲構成と叙情的な歌詞で紡がれた“雨上がりの決意ソング”

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(C)SANKEI

『虹』というタイトルの通り、曲は雨上がりの先に差し込む一筋の光のような存在だった。

静かに、でもリズミカルに始まるイントロや、しっとりとした雰囲気を醸し出すAメロやBメロは、しとしとと降り注ぐ雨、そして雨が上がる直前のような静けさと穏やかさに包まれている。一転してサビになると、曇り空が裂けて強い光が差し込み虹がかかるように、hydeの力強いまっすぐな歌声が伸びていく。

そしてL’Arc〜en〜Cielの魅力の一つは、その独自の美意識に貫かれた詩の世界にある。『虹』でもその手触りは健在で、いくら時が経とうが季節が流れようが、変わらない愛や想いがあり、絶望や願いが巡り、それがこれから先の未来も続いていくーーそういったメッセージが、抽象的でありながら深く心に沁みる。リスナーそれぞれの心象風景と結びつき、普遍的な感情を呼び起こす。

これらの温度差のある劇的な曲構成や未来を描いた叙情的な歌詞こそ、L’Arc〜en〜Cielが「新たなステージへと歩み出す」という強い意思そのものに感じられた。それは、苦難を乗り越え、さらなる高みを目指すバンドの決意表明のようにも見えた。“雨上がりの決意”を歌ったようなドラマティックなこの曲に、日本中が痺れた。

伝説的バンドが沈黙を破るように世に送った“永遠の名曲”

『虹』は、L’Arc〜en〜Cielがその後のキャリアで見せていく多彩な表現の扉を開いた作品ともいえる。このシングルを皮切りに、バンドは『DIVE TO BLUE』『HONEY』『HEAVEN'S DRIVE』など次々とヒットを飛ばし、国民的ロックバンドとして不動の地位を築いていくことになる。

今もライブで披露されるたびに、その普遍的なメロディと歌詞は、会場を包み込み、まるで初めて聴いた時のような“始まりの空気”を再現する。『虹』は、L’Arc〜en〜Cielにとって、苦難を乗り越えた“原点”であり、同時に“これからも続いていく旅”の道しるべとして、その輝きを放ち続けている。


※この記事は執筆時点の情報です。