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真夜中の機内で「バタンッ!」突然、女性が転倒?!隣で謝罪する男性…元CAが注意喚起「はみ出さないように」

  • 2025.5.19
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。元国際線CAのかくまるめぐみです。

機内の通路は狭いうえに、夜間フライトでは足元が薄暗く歩きにくいものですよね。

今日は、そんな夜間フライトで起きた、お客様が怪我をしかねなかった “ヒヤリハット” なエピソードをご紹介します。

静寂を破った「バタンッ!」ー真夜中の機内で何が起きたのか

これは、国際線の夜間フライトで起きた出来事です。

夜に出発するフライトでは、お食のサービスが終わって少しするとお客様にゆっくりお休みいただくために、機内の照明を暗く調整します。この日も、多くのお客様が心地よい眠りについていらっしゃいました。

一方で、私たち客室乗務員は静かに機内を巡回したり、ギャレー(機内のキッチン)の後片付けをしたり......。忙しかったサービスが一段落して、客室乗務員も少しほっとしていた時でした。

突然、静かな機内に「バタンッ!」ともの凄く大きな音が響き渡ったのです。

一瞬、何が起きたのか分からず驚きましたが、「お客様が貧血を起こされたのかな?」と思い、慌てて音のする方向へ向かいました。

実は、国際線のようなロングフライトでは、機内で貧血を起こして倒れるお客様は珍しくないのです。

「大丈夫ですか?」通路に座り込む女性の意外な理由

音がした場所にたどり着くと、通路に座り込んでいる女性のお客様と、隣の席から身を乗り出して謝罪している男性の姿が目に飛び込んできました。

「お客様、大丈夫ですか?」とお声がけすると、女性は少し恥ずかしそうに「大丈夫です。転んでしまっただけなので」と答えてくださいました。

詳しく状況を伺うと、女性はトイレに向かうため歩いていたところ、通路に出ていた男性の足につまずいて転倒してしまったとのこと。

暗い機内では足元が見えづらく、通路にはみ出ていた足に気づかなかったようでした。

訴訟問題に発展しかねない機内でのトラブル

幸いにも、女性に目立ったお怪我はなく、私も胸をなで下ろしました。

男性も非常に心配されて何度も謝罪されていましたが、女性は「大丈夫ですので、気にしないでください」と笑顔で対応してくださりました。

このケースでは、大事には至りませんでしたが、万が一、大きな怪我をしてしまうと訴訟問題につながりかねません。自分のちょっとした不注意で、他人を怪我させてしまう可能性があることを覚えておきたいものです。

実は、私もフライト中にお客様の足につまづいたり、間違って踏んでしまったりした経験は一度や二度ではありません。

特に、熱いお飲み物を運んでいる際などにつまづいてしまうと、お客様に火傷を負わせてしまうリスクも考えられます。

機内の座席は決して広々としていませんし、長時間同じ姿勢で座っているのは窮屈さを感じるものです。

そんな時は、トイレに立った際に屈伸運動をしたり(シートベルト着用サイン点灯中はお座席にお戻りください)、座ったままできる足首のストレッチなどもお試しくださいね。

「安全な空の旅のために」ー元CAからのお願い

フライト中は、突然の乱気流などに備えてシートベルトを常に着用していただくとともに、他のお客様や客室乗務員の転倒を防ぐため、通路に足や荷物がはみ出さないようにご協力ください。

また、お休み中のお連れ様の足が通路に飛び出しているのに気づかれた際には、ぜひお声がけいただけますと幸いです。

お互いのちょっとした気遣いで、安全で快適なフライトにしていきましょう。

それでは、素敵な空の旅を!


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。