1. トップ
  2. 飛行機で「お尻を触られた…」と訴える新人CA 相手は70代男性客で… → その後に発覚した、“衝撃の真相”とは?

飛行機で「お尻を触られた…」と訴える新人CA 相手は70代男性客で… → その後に発覚した、“衝撃の真相”とは?

  • 2025.5.9
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。元国際線CAのかくまるめぐみです。

国際線の機内では、文化の違いから思わぬ誤解が生まれることがあります。

今回は、私が国際線の客室乗務員として乗務していた際に実際に起こった、ちょっとした“誤解”がセクハラ騒動になりかけたエピソードをご紹介します。

「お尻を触られました...」新人CAの震える声

ヨーロッパへ飛ぶ長距離路線での出来事です。

そのフライトには、まだ入社して間もない外国籍の新人CAが乗務しており、私は彼女の教育係をしていました。

日本語にまだ慣れない彼女でしたが、カタコトの日本語で丁寧に接客していたそのときです。

それまでの笑顔が消え、青ざめた表情で震える声で私にこう告げました。

「お客様にお尻を触られました......」と。

私は彼女からお客様の座席番号を聞き、すぐに様子を見に向かいました。

すると、そこにいらっしゃったのは優しそうな70代くらいの男性で、お隣には奥様と思われる女性。

機内食を楽しそうに召し上がっている様子からも、とてもセクハラをするような方でないのは一目瞭然です。

この瞬間、私はある可能性を瞬時に悟りました。

穏やかなご夫婦と“トントン”の真実

私は丁寧に「何かご用でしたでしょうか?」とお声がけしました。

すると男性は「さっきCAさんに声をかけたくて『トントン』ってしたんだけど、気づいてもらえなかったみたいでね。お茶をもらえるかな?」と、まさに私の予想通り。

外国籍CAはそれを「お尻を触られた」と誤解してしまったのです。

ご年配のお客様の中には、CAに声をかけるときに無意識に肩や腕、時には腰あたりに軽く触れることがあります。

もちろん、お客様のご様子や態度から、決して悪意があるわけではないのは理解しています。

しかし、こうした身体的な接触は文化によっては不快に感じたり、セクハラと捉えられることもあるのです。

私は外国籍CAに、男性にはセクハラの意図がまったくなかったこと、お客様の中にはこうした身体的な接触で呼び止める方がいるという文化的背景を丁寧に説明しました。

彼女は驚きつつも、次第に納得してくれたようでした。

“トントン”から誤解を生まないために

私自身も、通路を歩いているときにお客様に腕をつかまれたり、腰に触れられてギョッとした経験は一度や二度ではありません。

ただ、その多くは「ちょっとすみません」という気持ちの表れであって、少しでも早くCAに気づいてほしいという気持ちからの行動だと理解しています。

しかし、こうした行為が誤解を生んでしまう可能性があることを、忘れてはなりません。

特に、海外ではセクハラ行為に対する意識が非常に高く、意図せず相手を不快にさせてしまうと、場合によっては大きなトラブルに発展することもあります。

こうした誤解を避けるためにも、機内だけでなく海外に滞在される際には、身体的な接触は控えるようにくれぐれもご注意くださいね。

国際線の機内は、まさに文化の交差点ともいえるでしょう。

だからこそ、お互いの文化背景を理解し接することが大切だと、あらためて感じた出来事でした。

それでは、素敵な空の旅を!


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。