1. トップ
  2. 物語は一気に“闇”へ…3話目にして最終回への恐怖心をあおる“木曜ドラマ”

物語は一気に“闇”へ…3話目にして最終回への恐怖心をあおる“木曜ドラマ”

  • 2025.4.14
(C)AbemaTV,Inc.

ドラマ『死ぬほど愛して』第3話では、成宮寛貴演じる夫・真人が遂に本性を露わにし、物語は急展開を迎えた。瀧本美織演じる澪の同僚・彩葉(田中美久)が犠牲となり、容疑者としてシェフの小山田(片桐仁)が疑われる状況下、視聴者は真人の裏の顔から目が離せない。「やっと本性を見せた」「最終回が恐ろしすぎる」とSNS上が騒然となった衝撃的な第3話を詳細にレビューする。

表と裏が交錯する恐ろしさ

(C)AbemaTV,Inc.

第3話でついに事件が表面化し、視聴者の緊張感は一気に高まった。澪の同僚である小泉彩葉の殺害事件は、澪の職場であるパティスリーのシェフ・小山田丈治が重要参考人として連行されるという展開を見せる。第1話からの小山田の描写、特に澪への異様な親近感や彩葉との金銭トラブルは、彼が容疑者となる蓋然性を高めていたと言えるだろう。

しかし、視聴者の多くは小山田が真犯人ではないと直感しているはずだ。明るく振る舞い、「笑って、明るく」を口にする真人こそが、その裏に恐ろしい本性を隠している。彼の抱える闇が垣間見えたことで、SNSでは「やっと本性が出た」という声が上がるなど、物語は新たな局面を迎えたといえるだろう。

金のためなら手段を選ばない?

真人が公言する「起業」という目標は、彼の行動を理解するうえで重要なキーワードとなる。投資家・長野真澄(筒井真理子)との接触は、そのための具体的な動きとして捉えられるだろう。

しかし、一連の出来事を俯瞰的に見ると、彼の行動の裏にはより深い動機が存在する可能性が浮上する。澪にかけられた巨額の生命保険金、そして同僚・彩葉の殺害という二つの事実は、真人が最終的に希求しているものが単なる事業の成功ではなく「金銭」そのものであり、その獲得のためには倫理的な制約さえも無視するのではないかという疑念を抱かせる。

彩葉と真人の間にどのような関係性が存在し、彼女がどのようにして真人の裏の顔に気づいたのかが詳細に描かれたことは、事件の真相に迫るうえで重要な手がかりとなる。

彩葉が真人の計画にとって潜在的な脅威となり得たからこそ、彼は彼女を排除するという極端な手段に及んだと考えられる。さらに、その罪を小山田に着せようとする彼の行動は、その冷酷さと周到な計画性を際立たせ、彼の内面に潜む闇の深さを物語っている。

脆弱な仮面と揺らぎやすい二面性

(C)AbemaTV,Inc.

真人を演じる成宮寛貴の演技には、明確な「善」と「悪」の境界線を超えた複雑さがある。

彼のキャラクターは一見すると明るく爽やかだが、どこかに危うさを秘め、何かのきっかけで簡単にその仮面が崩れ去る脆弱性を感じさせる。単なる二面性ではなく、スイッチひとつで変貌してしまうような繊細さが彼の演技の魅力であり、恐ろしさでもある。

視聴者が「すでに最終回くるのが怖すぎ」と感じるのは、まさにこの真人の不安定さにある。真人が次に何をするのか予測がつかない恐怖は、ドラマの緊張感をさらに高めている。

成宮寛貴は、表面上は魅力的であるにもかかわらず、どこか不穏な空気を常にまとっており、そのギャップが作品の吸引力となっている。

事件の混乱のなか、小山田を救う可能性がある人物が現れる。それが、週刊誌記者の石黒颯馬(細田善彦)である。石黒はおそらく、この時点で唯一真人が真犯人であることに気づいている人物だろう。彼が真人たちが暮らすマンションの隣室に越してきたのも、確かな証拠を掴むためだと考えられる。

石黒が今後どのように真人の本性を暴いていくのか。真人の巧妙な嘘と策略に対抗できるのか。彼の存在は、視聴者にとって唯一の希望であり、ドラマの展開をさらにおもしろくしていく重要な鍵となることは間違いない。

ABEMA『死ぬほど愛して』
[放送日時]3月27日(木)夜11時より ABEMAで配信開始
[出演者]成宮寛貴、瀧本美織ほか
[番組トップページ]https://abema.tv/video/title/90-2024



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_