2025AW Collection Report｜FETICO
繊細なアイテムに宿るベティ・ペイジへのトリビュート
東京の地を舞台に繰り広げられる、2025年秋冬コレクションのランウェイ。Lula Japan Webでは、気鋭のブランドが紡ぐめくるめくショーの模様をレポート。今回は、とあるダンスホールで披露された、デザイナー 舟山瑛美が手がける「FETICO」の最新コレクション。
女性の造形美を強調する古典的なスタイルをインスピレーション源とする「FETICO」。
その美意識や身体観を独自の視点で再構築し、相反する要素を重ね合わせながらユニークで新しいデザインを追求している。
今コレクションのミューズになったのは、50sにアメリカでボンテージモデルやピンナップモデルとして名を馳せ、舟山にとって長年のアイコンの1人となっているBettie Page。
写真家 Bunny Yeagerが撮影したBettieの写真集「Queen of Curves」が、今季の大きな着想源となった。
ランウェイを彩ったのは、「Queen of Curves」でBettieが着用したレオパードドレスに触発されたレオパード、ピンナップモデルたちの衣装にヒントを得たレトロなチェリー、バラ、鈴蘭のモチーフなど。
ベロアやレザーなどのクラシカルな素材が、現代的なアイテムであるダウンジャケットなどをデコラティブに表現した。
主軸のテーラリングは、50sのオートクチュールに代表される、タイトなウエストから裾へと優雅に広がるフィット＆フレアのシルエットを踏襲。
大きなケープカラーのコートやつけ襟を施したドレスジャケットは、柔らかなウール生地を用いたことでノーブルな存在感を放っていた。
また、「FETICO」らしいブラックトーンをベースにした色合いの中で、ピンクや深みのあるボルドーなどのアクセントカラーが目を惹く。
舟山は「資料を見ていく中で、ブラックをメインカラーとして打ち出しつつ、くすんだピンクやストライプ柄になったレースのジャカード、グレートーンなど、クラシックな部分をカラーパレットに落とし込んでいった」と語った。
デザイナーが尊敬する1人の女性から見出したコレクションの形。
緻密なディテールやパターンが奏でる、「FETICO」の美学を堪能して。
THE WALL SHOWROOM
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