二桁×二桁の掛け算を見ると、電卓に頼りたくなる人は多いのではないでしょうか。
しかし、掛け算に使われている数によっては、工夫次第で暗算ができることもあります。
では、今回の問題にはどのような工夫が有効でしょうか。一度考えてみてください。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
16×75
※制限時間は15秒です。
解答
正解は、「1200」です。
今回の問題の工夫は、なかなか思いつきにくかったかもしれませんね。
次の「ポイント」で、どのような工夫をすればよかったのか、確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「4×25=100を使うこと」です。
100を掛ける掛け算の答えは、100と掛け合わせる数の後ろに00を付けるだけなので暗算しやすいです。
といっても、問題の式の中には4×25なんて登場していませんよね。
そこで、16×75を分解して、4×25を自分で作り出すことを考えます。
16は4×4、75は25×3なので、式は次のように書き換えられます。
16×75
=4×4×25×3
ここまでできたら、次に結合法則を使います。
結合法則とは、簡単に言えば「どこから計算しても答えが同じになる」法則のことです。結合法則は、掛け算のみ、あるいは足し算のみの式に使えます。
<結合法則>
計算順序を変えても結果が同じになるという法則。
(■+▲)+〇=■+(▲+〇)
(■×▲)×〇=■×(▲×〇)
今回の式は、掛け算のみなので、4×25から計算しても問題ありません。
よって、次のように計算を進めていきましょう。
4×4×25×3
=4×(4×25)×3←先に4×25を計算する
=4×100×3
=400×3
=1200
途中で100の掛け算を出現させることで、計算が簡単になる過程が確認できたでしょうか。
まとめ
今回の問題では、4×25=100を利用して計算を簡単にしました。
4×25=100は、計算の工夫によく使われる掛け算です。ただし、この形のまま式の中に現れるとは限りません。今回のように4や25の倍数の形で出現したときは、数を分解して、自分で4×25を作り出しましょう。
掛け算の中に10の倍数を作り、計算を簡単にする手法は多くの暗算問題で役に立ちます。ぜひ覚えてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。