1. トップ
  2. 元国民的アイドルグループ出身者も加入 SNSから大ブレイクした【7人組美少女アイドル】の“正体”と虜になる“ヒミツ”

元国民的アイドルグループ出身者も加入 SNSから大ブレイクした【7人組美少女アイドル】の“正体”と虜になる“ヒミツ”

  • 2025.2.12

2025年6月にさいたまスーパーアリーナでワンマンライブを開催することが決定して注目を集めているFRUITS ZIPPER。
2022年結成の7人組アイドルであり、メンバーは月足天音 ・鎮西寿々歌 ・櫻井優衣 ・仲川瑠夏 ・真中まな ・松本かれん・早瀬ノエル。わずか結成3年目で旬のアイドルに浮上した彼女たちには、今までのアイドルとは違う特色がいくつもあり、支持されている理由にもなっている。

そんな彼女たちに思わず“トリコ”になってしまう秘密を、5つのポイントに分けて紹介する。

FRUITS ZIPPERが今までのアイドルと違う5つのポイント

①7人のメンバー中、5人がアイドル・タレント経験者

undefined
(C)SANKEI ※2024年10月2日イベントに出席した 鎮西寿々歌、松本かれん

メンバーのうち松本と早瀬は加入時点で芸能活動経験がなかったが、残りの5人はアイドルやタレント活動の経験者。従来のアイドルグループの多くはオーディションで選ばれた、初めてアイドルとして活動するメンバーが成長する姿をファンは応援してきた。これに対してFRUITS ZIPPERは、NHK『天才てれびくん』シリーズでてれび戦士として活躍していた鎮西、元HKT48メンバーでシングルの選抜に選ばれたこともある月足をはじめ、豊富な経験で培った高いパフォーマンス力を持ち、ダンスや歌がうまいだけでなく、見せ方を知っている。

②王道アイドル事務所所属“ではない”からこその新しい要素

現在のアイドル界は、ハロー!プロジェクト、AKB48・坂道シリーズなどの秋元康プロデュースのグループ、ももクロなどのスターダストプロモーション所属アイドルの「3大勢力」が圧倒的に強く、それ以外のアイドルがメジャーシーンで活躍する場合は、でんぱ組Inc.やBiSHのようにアーティスト寄りになるケースが多かった。

FRUITS ZIPPERが所属しているのは、きゃりーぱみゅぱみゅ、新しい学校のリーダーズなどを手がけ、原宿発のKAWAIIカルチャーを発信してきたアソビシステム。今までとは違う流れから出てきた新星だが、あくまでも正統派のアイドルにこだわりながら、あの(ano)の衣装も担当するMIYANISHIYAMAがデザインした衣装など、随所に新しい要素が見られる。

③人気に火を付けたのは、テレビではなくSNS

1980年代に活躍したおニャン子クラブからモーニング娘。や乃木坂46にいたるまで、いずれも地上波テレビ番組を通じて知名度を拡大した。しかし、FRUITS ZIPPERは意識的に「TikTokでバズること」を狙った楽曲作り・MV動画制作をしてきた。

その狙い通り、1stシングル楽曲『わたしの一番かわいいところ』のキャッチーなメロディと覚えやすくて愛らしいダンスがZ世代の女性を中心に人気を集め、TikTokの総再生回数30億回を突破。TikTokでインフルエンサーによるダンス動画や曲のタイトルにちなんだ「わたしの一番かわいいところを教えてください」といった内容の動画の投稿が拡散して、ブレイクのきっかけとなった。また、ライブでのメンバーひとりひとりの姿をクローズアップした「推し動画」をファンが作ってSNSにアップする流れも、人気の広がりに貢献した。

FRUITS ZIPPERは、代表曲の『最上級にかわいいの!』がTikTokで拡散して支持が広がった超ときめき♡宣伝部とともに、SNSから人気に火がついて大ブレイクした最初のアイドルと言っていい。

④最初から世界での活躍を視野に

FRUITS ZIPPERが所属するアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」は、「原宿から世界へ」 をコンセプトに“世界で活躍できるアイドル”を発信していくプロジェクト。今は海外でライブを行わなくても、動画配信サイトやSNSを通じて海外発信ができる。日本のアイドルに対する海外のファンの関心は高く、FRUITS ZIPPERはグローバルな人気アイドルに成長する可能性を秘めている。

 ⑤SNS活用の工夫でアイドルファン層以外にも支持

FRUITS ZIPPERに関するSNSやブログには、「はじめてアイドルを好きになった」というコメントが目立つ。TikTokにはメンバーたちのプライベートの表情もふんだんに盛り込まれ、「ライブに行って、リアルの彼女たちに逢いたい」と思わせる工夫がこらされている。アイドル雑誌などの、アイドルファンがよく見る媒体ではなく、TikTokという不特定多数の目に入りやすいメディアで拡散した結果、コアなアイドルファン層だけでなく、「今までアイドルに興味がなかったけど、TikTokはよく見ている」という層にも支持が広がった。

undefined
(C)SANKEI

所属事務所の先輩であるきゃりーぱみゅぱみゅも、海外で支持されて音楽業界やファッション業界に大きなインパクトを与えた。FRUITS ZIPPERもまた、くるりや相対性理論などのアーティストの音楽をよく聞いてきたとインタビューで語っている鎮西を筆頭に各メンバーの音楽の嗜好が幅広い。最近はやや分断されていた「アイドルシーン」と「音楽シーン」をつなぐ存在として、これまでは主にJ-POP、K-POP、ヒップホップなどを聞いていた音楽ファン層も取り込み、アイドル業界だけでなく、音楽業界にも影響を与える存在になることは違いない。


高倉文紀
女優・アイドル評論家。『日刊ゲンダイ』『タレントパワーランキングWEB』『日経エンタテインメント!』などで若手女優や女性アイドルの取材や評論記事を手がける。