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工夫して10秒で計算してみて!「86−99+86×99÷86」→正しく計算できる?

  • 2025.2.25
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算数の問題の中には、見た目は複雑でも、工夫次第で計算がとても簡単になるものがあります。

今回チャレンジするのも、そんな問題の一つです。さて、あなたは制限時間の10秒以内に答えを出せるでしょうか。

問題

次の計算をしなさい。
86−99+86×99÷86

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「86」です。

二桁の掛け算や割り算ですっかりやる気をなくしてしまった、という人は次の「ポイント」をご覧ください。

この問題の答えを10秒で出す方法を、詳しく解説していますよ。

ポイント

この問題では、「掛け算と割り算をまとめて計算すること」と「同じ数の足し引きをまとめて計算すること」がポイントになります。複数の計算をまとめることで、複雑な計算を回避し、スピードアップができます。

では、具体的な計算手順を順番に確認していきましょう。

掛け算と割り算をまとめて計算する

まず、この問題の計算手順を確認しておきましょう。ここで重要になるのが、次の計算順序のルールです。

<計算順序のルール>
次の順序で計算します。

1.( )の中
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算

※同じ優先順位の計算がある場合は、左から優先して計算します。

今回の問題に( )はありませんので、優先すべきは掛け算と割り算です。二つの優先順位は同じなので、左にあるものから(掛け算→割り算の順で)計算することになりますね。

86−99+86×99÷86

しかし、掛け算も割り算も複雑そうで、とても10秒以内に計算できるようには見えません。そこで、割り算の割る数が直前の掛け算の掛けられる数と同じ86であることに注目します。

このような形の式は、次の関係式を使えば答えをすぐに出せます。

■(掛けられる数)×▲(掛ける数)÷■(掛けられる数と同じ数で割る)=▲(掛ける数)

<成り立つ理由>
  ■×▲÷■
=(■×▲)/■ ←割り算を分数で表し、■で分子分母を約分する
=▲/1
=▲

■が86、▲が99と考えれば、この式の掛け算と割り算をまとめて計算した場合の答えは99だとすぐに分かりますね。

  86−99+86×99÷86
=86−99+99

同じ数の足し引きをまとめて計算する

残りは引き算と足し算です。

これも計算順序のルールに従えば、左から順に「引き算→足し算」と計算するのが正しい順序です。ただ、引き算の部分は、引く数が引かれる数より大きいので答えが負の数になってしまいますし、繰り下がりの計算も面倒ですね。

86−99+99

このあたりにもたもたしていると、すぐに制限時間オーバーになってしまいそうです。

そこで、「−99+99」の部分に注目しましょう。同じ数を引いて足しているのだから、この部分の答えは0になります。先に「−99+99」を計算できるなら、以下のように計算過程はとても楽になりますね。

  86−99+99 ←同じ数の足し引きをまとめて計算する
=86+0
=86

しかし、このように計算する順番を勝手に変えてしまうのは、計算順序のルールに違反しているようにも見えます。問題はないのでしょうか?

実は、足し算だけの式であれば、計算はどこからしてもかまわないのです。これを、加法の結合法則といいます。

<加法の結合法則>
(■+▲)+〇=■+(▲+〇)

今回の式は引き算が混じっているので、一見この法則が使えないように見えます。そこで、−99を+(−99)に書き換え、式全体が足し算だけで構成されるようにします。

  86−99+99
=86+(−99)+99

これで加法の結合法則を利用して、「(−99)+99」から計算できるようになりました。

  86+(−99)+99
=86+{(−99)+99} ←同じ数の足し引きを先に計算できる
=86+0
=86

こうすれば、面倒な二桁の計算を回避しながら、正解にたどり着けます。

まとめ

今回は、掛け算と割り算、足し算と引き算をまとめて計算することがポイントになりました。

なお、式をよく見ると、86と99という数が繰り返し使われているのが分かります。このような同じ数が何度も登場する式では、まとめて計算する工夫が有効なことが多くあります。

問題の式の特徴によって、どのような工夫をしたらよいかは変わってきます。まずは式を観察して、簡単に計算するにはどうしたらよいか考えてみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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