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実は10秒で計算できる!「63×57」→暗算できる?

  • 2025.2.2
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小学校では一桁の掛け算は九九で、二桁の掛け算は筆算で計算することが多いでしょう。

しかし、筆算は紙と筆記用具がなければできませんし、答えを出すまでに結構時間がかかるものです。二桁の掛け算を暗算できたら、とても楽ですよね。

今回の問題では、ある条件に当てはまる二桁の掛け算の暗算方法をご紹介します。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
63×57

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「3591」です。

「10秒以内の計算なんてできないのでは?」と思った人は、ぜひ次の「ポイント」を確認してください。

暗算方法を解説していますよ。

ポイント

今回の問題のポイントは、「60をベースにした掛け算だと考えること」です。

式の中の数を見てください。63は60に3を足した数、57は60から3引いた数です。このように「ある数から同じ数を足した二桁の数×同じ数を引いた二桁の数」は、次の方法によって暗算できます。

<暗算方法>

1.60×60を計算する→3600
2.足した数と引いた数どうしを掛ける→3×3=9
3.1の答えから2の答えを引く→3600−9=3591

なお、3の計算では繰り下がりが発生しますので、次のように考えるとより暗算しやすくなります。

  3600−9
=3500+(100−9) ←100を3600から分離して9を引く
=3500+91
=3591

筆算なしでも、答えを出せましたね。

暗算方法が成り立つ理由

では、この暗算方法がなぜ成り立つのかを考えてみましょう。

掛け算の一方の数をa×10+b、もう一方の数をa×10−bとします。

分配法則を使って、次のように計算していきます。

<分配法則>
(◆+▲)×〇=◆×〇+▲×〇

  (a×10+b)×(a×10−b) ←a×10を◆、bを▲、(a×10−b)を〇と見る
=(a×10)×(a×10−b)+b×(a×10−b) ←もう一度分配法則を使う
=(a×10)×(a×10)−b×(a×10)+b×(a×10)−b×b ←太字部分が打ち消しあう
=(a×10)×(a×10)−b×b

今回の問題でいえば、(a×10)×(a×10)が60×60に、b×bが3×3に該当します。

まとめ

では、今回紹介した暗算方法を振り返ってみましょう。

  (a×10+b)×(a×10−b)
=(a×10)×(a×10)−b×b ←一の位を0にして掛けたものから、一の位の数どうしを掛けたものを引く

この方法は、インド式計算法の一種として知られています。

上の暗算方法は「ある数から同じ数を足した二桁の数×同じ数を引いた二桁の数」という条件に合わなければ使えませんが、インド式計算法では他にもさまざまな条件のもとに使える暗算方法が登場します。

どんな条件の計算が暗算できるのか、インド式計算法を調べてみるのも面白いですよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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