ぱっと見たときはややこしいと感じる問題でも、解説を確認するとけっこう簡単。そんなパターンの問題は案外多くあるものです。
今回の式も少しややこしく見えるかもしれませんが、ぜひ、5秒以内に計算できるかどうかチャレンジしてみてください。
問題
次の計算をしてください。
−7÷(−7)÷(−7)
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「−1/7」です。
マイナス符号をつけ忘れた人、割り算をしようとしてタイムアップになってしまった人はいませんか?
次の「ポイント」で、5秒以内に解答するための基礎知識を確認しておきましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「負の数の割り算の計算ルール」と「割り切れない割り算の答えを瞬時に出す方法」を押さえておくことです。
それぞれ順番に解説していきますね。
ポイント1 負の数の割り算の計算ルール
負の数の割り算では、答えが正の数になる場合も、負の数になる場合もあります。どちらになるのかは、次のルールを見ればわかります。
<答えの符号の決め方(割り算編)>
・同符号どうしの割り算の答え→正の数(+)になる
例:−1÷(−1)=+1
・異符号どうしの割り算の答え→負の数(−)になる
例:−1÷(+1)=−1
今回の問題では、最初に−7÷(−7)の割り算を行います。同符号どうしの割り算なので、この部分の答えは正の数になります。
−7÷(−7)÷(−7)
=+1÷(−7)
次に、+1÷(−7)の計算をするときは、異符号どうしの割り算となり、答えは負の数になります。
これで、この式全体の答えが負の数になると分かりますね。
ステップ2 割り切れない割り算の答えを瞬時に出す方法
答えが負の数になるのは分かったものの、1÷7はどう計算すればよいのでしょうか。
実際に割り算してみると、答えは次のようになり、いつまでたっても割り切れないと分かります。
1÷7=0.14285714...
このような割り切れない割り算は、どこかで同じ数の並びの循環が起こります。
1÷3=0.333...のように、すぐに循環が起こる場合は「これは割り切れないな」とすぐに判断できますが、1÷7のようにしばらく別の数字が続く割り算では「もしかして割り切れる?」とずるずる計算を続けてしまいがちです。これでは、すぐに制限時間が来てしまいますね。
今回のように短い制限時間が設定されている割り算では、答えを小数ではなく、分数で出すことを考えましょう。
割り算の答えを分数で出す方法は次の通りです。
割られる数÷割る数
=割られる数/割る数
割られる数を分子に、割る数を分母に持って来るだけなので、すぐに答えられます。
では、さっそく今回の問題も分数で答えを出してみましょう。
+1÷(−7)
=−1/7
マイナス記号を付けることにだけ注意すれば、簡単に答えが出せますよ。
※分数が約分できるときは、約分するひと手間をかけてください。例:10÷4=10/4=5/2
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
ポイントになるのは、負の数の割り算の答えの符号の決め方(同符号どうしの計算なら答えは正の数、異符号どうしの計算なら答えは負の数)と、割り切れない割り算の答えをすぐに出す方法(割られる数/割る数にして答える)でした。
この二つのポイントが分かれば、短い制限時間でも正解することは可能です。
ぜひ他の問題も、スピーディーに計算できるかどうか挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。