二桁の計算は、足し算や引き算の場合でも少し難易度が上がります。掛け算や割り算となると、暗算ではなかなか難しいと感じることも多いかもしれません。
しかし、計算の工夫をすれば、一見難しそうに見える式でもあっさり答えを出せる場合がありますよ。さて、今回の問題、10秒以内で計算するにはどうすればよいでしょうか。
問題
次の計算をしなさい。
56+56−56×56÷56
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「56」です。
答えを出すのにどれぐらいの時間がかかったでしょうか。
「56×56」でギブアップしてしまった、という人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。
ポイント
今回の問題のポイントは、「同じ数(56)に注目して計算の工夫をすること」です。
この式には56しか数が登場しませんので、次のように計算を簡略化できます。
56+56−56×56÷56 ←56×56÷56の答えは56
=56+56−56 ←56−56の答えは0
=56+0
=56
とても簡単に答えが出せますね。では、どうしてこのように計算できるのか、ステップごとに見ていきましょう。
「56×56÷56」の答えが56になる理由
まず、今回の問題は、冒頭の「56+56」から計算してはいけません。
複数の四則演算が混ざった式では、掛け算・割り算は、足し算・引き算よりも先に計算するというルールがあるからです。
よって、計算は「56×56」から始めます。ただし、「56×56」をそのまま計算しようとすると時間がかかりすぎます。そこで、右側の「÷56」と一緒に計算します。
56+56−56×56÷56
=56+56−56
「56×56÷56」の答えは、56です。なぜなら、掛け算の直後に掛ける数で割ると、その答えは掛けられる数になるからです。
■×▲÷▲=■
※▲が0でない場合
「■円を▲人から集めた合計額を、もう一度▲人に配ったときの一人当たりの値段は、集める前の■円になる」と考えれば、この式の意味が分かるはずです。
こうすれば、面倒な二桁の掛け算を計算する必要がなくなるうえ、割り算も一気に計算できます。
「56+56−56=56+0」とできる理由
残りは、足し算と引き算です。掛け算や割り算に比べれば簡単ですが、足し算→引き算の順で計算しようとすると、繰り上がりや繰り下がりに時間を取られてしまいそうです。
56+56−56
そこで、計算の順序を変えることを考えましょう。式の後ろの「56−56」は引かれる数と引く数が同じなので、答えは0だとすぐに分かります。引き算から計算をすれば、計算がとても楽になるのです。
56+56−56
=56+0
=56
このように計算の順序が変えられるのは、結合法則があるからです。
<結合法則>
足し算と掛け算では、計算の順序を変えても答えが同じという法則
(◎+▲)+■=◎+(▲+■)
(◎×▲)×■=◎×(▲×■)
とはいえ、結合法則は足し算には使えますが、引き算には使えません。しかし、−56を「+(−56)」の形に変換すれば、結合法則が使えるようになります。
56+56−56
=56+56+(−56)
こうすれば式は足し算だけになるので、結合法則により「56+(−56)」の部分から計算することが可能になります。
56+56+(−56)
=56+{56+(−56)} ←56+(−56)の部分を先に計算する
=56+(56−56) ←+(−56)を−56に再変換
=56+0
=56
計算の流れが理解できたでしょうか?
まとめ
今回の問題は、式内に56という同じ数が繰り返し登場することを利用することで、計算を効率化できます。紹介した方法を使えば、「56×56÷56」の答えはすぐに出せますし、足し算と引き算の計算もとても楽になります。
ただし、このような工夫をするには「■×▲÷▲=■」であることや、結合法則などを知っている必要があります。
計算に使えるさまざまな法則、ルール等は、問題にチャレンジする中で自然に身についていくものです。ぜひ他の問題にも、引き続き挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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