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鈴木砂羽さん(52歳)「土下座騒動も結局すべては己のせい、と今は思う」40代まで続いた暗黒時代を語る

  • 2024.12.20

22歳のとき、映画『愛の新世界』で初主演を飾り、さあこれから!と言う時期にスランプに突入。そのスランプは10年続いたと、鈴木砂羽さんは語ります。「すごく長く感じた10年でした。周りの意見を気にし過ぎて、どんどん“自分らしさ”の迷子になっていったんです」。そんな中で見出した俳優としての新たな活路や、ワイドショーをにぎわせた“あの事件”について、今改めて振り返ってくれました。

“女版・大杉漣”を目標に、どんな端役でもいい!と、とにかく映画やドラマに出まくりました

お話を伺ったのは…俳優・鈴木砂羽さん(52歳)

《Profile》
1972年生まれ。静岡県出身。美術短期大学を中退後、文学座の研究生となる。研究所卒業後の94年、映画『愛の新世界』で主演としてデビュー。圧倒的な存在感でブルーリボン賞など各新人賞を多数受賞。その後、舞台やテレビドラマでも幅広く活躍。直近では、テレビ朝日のドラマ「相棒 season23」に出演中。ドラマ、映画、舞台、バラエティのほか舞台演出、マンガの執筆など幅広い表現ジャンルで活躍している。

初主演映画は非常に好評で、たくさんの賞をいただきました。しかし、このまま主役路線でいくという事務所のやる気についていけませんでした。
当時大手芸能事務所に所属をしていましたが、若いだけで垢抜けない、でも生意気なイモ娘には一挙手一投足に注文が入って。「そんな顔するな」「そんなことするな」と。母からも「あのインタビューの答え方は何?」「あの服、砂羽には似合わないんじゃない?」、友人からは「砂羽ってテレビで見ると太って見えるよね」っていう具合に、四方八方からご意見番が現れました。
撮影では伸び伸びとやれていたのに、どんどん自分らしさが削がれていく感覚がありました。ありのままの私とは? と。
同世代の美しい女優さんたちが映画やドラマで主役を演じる様子とも比べてしまい、私なんてただのその辺のふかし芋なんだわ、と本当に自信がなくなりました。若くてキラキラしている時代なのに、すっかり引っ込んでしまいましたね。

しかし、いつまでも腐っているわけにはいかないし、思い切ってシフトチェンジを試みることに。今の私にできることは?と考え、「バイプレーヤーで日本一になろう!」「女版・大杉漣になろう!」と、どこか屈折した思いからではありますが、当時のマネージャーと話し、活路を見出したんです。気鋭の若手監督と組んでみたり、実験的な自主制作映画に出てみたり。
がむしゃらに映画やドラマに出まくって、“年間最も出演作が多い女優”と言われたこともありましたが、嬉しい反面、もっと芸能人らしいポストや、華々しい女優ポジションに…と、口には出さないけど憧れていたと思います。30代半ばくらいまで、そんな屈折した思いでバイプレーヤーに自ら徹していたんですよね。

44歳の時に起きた“土下座騒動”は、元をたどれば私の至らなさ、傲慢さが原因

2017年に「結婚の条件」という舞台で主演と、初めて演出を手がけることになったんです。その時、出演いただく予定だった女優お二人が途中降板する事態となり、原因が「鈴木砂羽の土下座強要」によるとされ、ずいぶんとお騒がせしてしまいました。お相手もあることなので詳細は割愛しますが、実際に土下座はさせていません。
あの当時、「なぜこんな事態に!?」と思いましたし、生きることに嫌気すら感じたものですが、今ならはっきりとわかります。現実をこじらせてしまった原因は私でした。確かに相手に対して傲慢で、思いやりに欠けていました。この“土下座騒動”の時もそうでしたが、それまでの私は何かがこじれた時に「すべての原因は自分にある」という気づきに至ることはできませんでした。これも後々になって気づくのですが、それに気づけないと、結局また似たようなことが起こってしまうんですよね。

40代後半になるくらいまで、私は自分自身を見ることができませんでした。本当に自分がどうしたいかより、人からどう見られるか、どうしたら評価されるかばかりを気にして、何かに失敗するとすぐに人のせいにして。同じことの繰り返しで疲弊して、人のせいにするのに自分のことも責めてばかりで少しも満たされない。恋愛でも同じで、相手に求めてばかりで少しも精神的に自立できていなくて、失敗ばかりしていましたね。

《衣装協力》
ブラウス¥40,700 (ミュラー オブ ヨシオクボ)イヤカフ¥29,700 ピアス【右耳】¥99,000 ピアス【左耳】¥99,000 ブレスレット¥594,000 (すべてカラットアー/ヴァガス)

《ショップリスト》
ヴァガス 03-6434-7975
ミュラー オブ ヨシオクボ 03-3794-4037

撮影/鈴木章太 ヘア・メイク/加藤峰子 スタイリスト/平井律子 取材/キッカワ皆樹 編集/根橋明日美

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