本格ブレイク必至か　出演ラッシュが続く“注目”女優に期待の声「オタクに刺さってる」「ほんとにかわいい」

2025年にブレイクする俳優は？ そう聞かれたら、筆者は筆頭候補の一人に原菜乃華を挙げる。2022年〜2024年は助走期間であり、2025年はついに本格ブレイクを果たす――そんな予感と期待を彼女に抱いている。

そのことを確信づけるのが、2024年の年末から2025年の年始にかけての出演作の多さだ。新たな代表作となった有馬かなを演じる『【推しの子】』（Prime Video）シリーズの配信、映画『【推しの子】-The Final Act-』の公開をはじめ、オムニバスドラマ『ノンレムの窓2025・新春』（日本テレビ系）、『となりのナースエイドSP 2025』（日本テレビ系）への出演。過去作ではあるが、フジテレビで再放送となった映画『ミステリと言う勿れ』はヒロイン的立ち位置にあり、メディア露出を印象づけることに拍車をかける形となっていた。

原作台詞の通りに“こってりしたオタク”にも刺さった、『【推しの子】』有馬かな役

なかでも特筆すべきは『【推しの子】』。原が演じる有馬は、“重曹ちゃん”または“ロリ先輩”と呼ばれる、アイドルユニット・B小町のセンター。ルビー（齊藤なぎさ）、MEMちょ（あの）、そしてアクア（櫻井海音）に対しての典型的なツンデレキャラであるが、元天才子役としての冷静かつ客観的な視点も持ち合わせている。第2話でのドラマ撮影のシーンは、そのことを伝える有馬のキャラクター説明的エピソードも担っている。ルビーを演じる齊藤なぎさ、MEMちょを演じるあのは、それぞれがアイドル経験者。アイドル未経験という逆境にありながらも、2人に並ぶダンスとアイドルスマイルで、B小町として『ミュージックステーション』（テレビ朝日系）にも出演。YouTubeの踊ってみた動画には、「恐らく原作の有馬かな推し勢が全員認めてる ほんとにかわいい」「ほんとにこってりしたオタクに刺さってるな、原菜乃華ちゃん」といったルビーが有馬をB小町に誘った際の台詞を引用したコメントがついている。原自身も有馬と同じ子役時代から下積みを重ねてきたという境遇もあわせて、原作ファンを納得させるとともに、有馬を演じる必然性であるとも捉えられるだろう。

『【推しの子】』で共演する櫻井海音とは『泥濘の食卓』（テレビ朝日系）で幼馴染役の関係性にあった。2022年に映画『すずめの戸締まり』で主人公・岩戸鈴芽役の声優を務め、一躍脚光を浴びた原。『【推しの子】』をはじめ、『ミステリと言う勿れ』、大河ドラマ『どうする家康』（NHK総合）での千姫役などでの演技が高く評価されているが、『泥濘の食卓』で演じた尾崎ちふゆは、ストーキングや脅迫行為を行う狂気的芝居が話題となり、原のこれまでになかった新たな表情を見せつけた役だった。『となりのナースエイド』では不治の病に冒されてしまう難役を余裕すら感じさせる芝居で演じ切っていた印象だ。

2025年は主演映画『見える子ちゃん』、朝ドラ『あんぱん』とすでに出演ラッシュ

『【推しの子】』『ノンレムの窓』『となりのナースエイド』の3作品で新年のスタートダッシュを切った原は、2025年多くの出演作が控えている。まず、主演作となる映画『見える子ちゃん』、さらに現在は公開未定となっている映画『ババンババンバンバンパイア』。アニメ映画『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』では主人公の声優役を務め、次期朝ドラの『あんぱん』（NHK総合）でヒロイン・朝田のぶ（今田美桜）の妹・メイコを演じる。主演映画と再びのアフレコ現場に、朝ドラという老若男女が視聴するフィールドでさらなる認知を獲得する。現在執筆しているのは2025年1月だが、これからほかの出演作が発表されていくと考えると末恐ろしくもなってくる。

『あんぱん』で同じく姉妹を演じる河合優実は、2024年にブレイクした俳優として広く世間に知られることとなった。それに続く存在が原になるのでは、というのが筆者の見解だが、重要なのは原が現在21歳とまだ若い年齢にあること。同世代はすでに朝ドラヒロインを経験している、22歳の清原果耶といったところだろうか。広瀬すずや杉咲花、浜辺美波といった存在がその人気と演技力によって数々の主演やヒロインを務めていることは映画『片思い世界』を例に現在も変わることはないが、その次の世代のトップランカーに原はいる。

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ライター：渡辺彰浩
1988年生まれ。福島県出身。リアルサウンド編集部を経て独立。荒木飛呂彦、藤井健太郎、乃木坂46など多岐にわたるインタビューを担当。映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』、ドラマ『岸辺露伴は動かない』展、『LIVE AZUMA』ではオフィシャルライターを務める。